(2)重要な取組A:データの活用 次に、価値創出の源泉となるデータを活用することが重要である。地方においてデータを活用するに当たっての入口となり得るものとして、地域経済分析システム(RESAS)36がある(図表2-3-6-4)。RESASは、地方創生の様々な取組を情報面から支援するために、地域における産業構造や人口動態、人の流れ等の官民ビッグデータを集約し、可視化するシステムである。2015年4月からまち・ひと・しごと創生本部による提供が開始され、自治体職員や、地域の活性化に関心を持つ様々な分野の人々によって、効率的な施策の立案・実行・検証のため等に広く利用されている37。 図表2-3-6-4 RESASの概要 (出典)まち・ひと・しごと創生本部Webサイト また、総務省においても、2017年5月より、「統計ダッシュボード」38を提供している。これは、各府省等が作成する主要統計をグラフ等に加工して一覧表示し、利用者にとって視覚的に分かりやすく、簡易なデータ利活用を実現するためのシステムである39(図表2-3-6-5)。都道府県や市区町村ごとの「地域の産業・雇用創造チャート」をはじめ、データを活用した地域の見える化を推進する取組となっている。 図表2-3-6-5 統計ダッシュボード (出典)総務省Webサイト これらの利用を通じ、データが実際に身近な課題の解決に役立ち、価値を生むことを実感することが、更にデータを活用していくことにつなげる上で重要であろう。実際に、第1節で紹介したとおり、地方の商店等においてもデータの活用により価値を創出している例があり、データの活用は決して縁遠いものではないという認識を持つことがまず必要と考えられる。 36 https://resas.go.jp/ 37 RESASのサイトにおいて、各種の活用事例が紹介されている。 38 https://dashboard.e-stat.go.jp/ 39 約5000の統計データを17分野に整理して収録し、55のグラフを掲載している。