(2)我が国のAI・ロボット受容に関する分析 我が国を対象とした別の調査5から、AI・ロボットの受容性を概観する。 AI・ロボットが生活にどう影響するかという質問に関して、単純集計した結果では、学歴が高くなるにつれプラスの影響があると回答した割合が高くなっている(図表2-4-1-3)。また、属性がどのように影響するか分析した結果でも、高卒と比べて大卒、大学院卒がプラスに影響することに加え、文科系よりも理科系の方がプラスに影響することがわかっている。 図表2-4-1-3 AI・ロボットの生活への影響 (出典)森川正之(2017)「人工知能・ロボットと雇用:個人サーベイによる分析」経済産業研究所ディスカッションペーパー AIについて理解することが、AIと人間とが補完しプラスの影響をもたらすと考えることにつながる可能性がうかがわれる。 また、AI・ロボットの仕事への影響に関して、20代、30代は仕事が失われるおそれがあると回答した割合が高くなっている(図表2-4-1-4)。 図表2-4-1-4 AI・ロボットの仕事への影響 (出典)森川正之(2017)「人工知能・ロボットと雇用:個人サーベイによる分析」経済産業研究所ディスカッションペーパー 家事又は育児をAI・ロボットに代替できると良いと考えるかどうかについて、属性がどのように影響するか分析した結果6では、年代別では20代、30代であることがポジティブに影響することが分かっている(図表2-4-1-5)。 図表2-4-1-5 AI・ロボットに代替できると良い家計内サービス生産活動(プロビット推計) (出典)森川正之(2017)「人工知能・ロボットと雇用:個人サーベイによる分析」 経済産業研究所ディスカッションペーパー これらから、若い世代では他の世代と比較して、平均的には自身の仕事がAI・ロボットに代替されることへの懸念が強いこと、一方で生活のうちの家事や育児ではAI・ロボットを受容する傾向が示唆される。 5 森川正之(2017)「人工知能・ロボットと雇用:個人サーベイによる分析」経済産業研究所ディスカッションペーパー 6 具体的には、プロビット推計という手法を用いている。詳細は、出典元参照。