4 (補論)大規模災害とICTとの関わり (1)頻発する大規模災害とICT 我が国では、平成の30年間に大規模な地震や豪雨が頻発し、気象庁が名称を定めたものに限っても27になる(図表2-4-4-1)。 図表2-4-4-1 平成の30年間に発生した大規模な地震及び豪雨(気象庁が名称を定めたもの) (出典)気象庁「気象庁が名称を定めた気象・地震・火山現象一覧」を基に作成 平成の30年間は、ICTとりわけインターネットと携帯電話の発展・普及に象徴される時代であることはここまでみてきたとおりであるが、その節目には大規模災害も関わっている。 1995年の阪神・淡路大震災においては、固定電話網が寸断され又は輻輳する中、当時普及の初期段階にあった携帯電話はつながるということが注目された(図表2-4-4-2)。また、同じく普及の初期段階にあったインターネットを用いて被災地の状況を発信することも行われた(図表2-4-4-3)。 図表2-4-4-2 阪神大震災における固定電話回線の復旧 (出典)郵政省(1995)「平成7年版通信白書」 図表2-4-4-3 阪神大震災での神戸市によるインターネットを通じた被災情報の提供 (出典)郵政省(1995)「平成7年版通信白書」 2011年の東日本大震災とICTとの関係については、阪神・淡路大震災時に比べると携帯電話が広く普及しており、SNSも活用された一方で、東北・関東地方を中心に、回線の途絶や停電等によりICT機器が使用できなくなるなどの被害が発生した。また、東日本大震災での教訓を基に、LINEが開発されたことでも知られる。