1 5Gの社会実装 5Gは産業・社会の基盤となることが期待される技術であるが、社会への実装はどのように進むだろうか。 第1章第2節 において説明したように、5Gの商用開始から当分の間は、移動通信のコアネットワークは4Gのものを引き続き使用しつつ、無線アクセスネットワークとして5G NR基地局と4G/LTE基地局とを使用するNSA構成での運用となる。この段階では、通信需要の高いエリアを対象とした超高速サービスの提供が想定されていることから、5Gの社会実装に関しても、超高速・大容量の特長を活かした映像系のアプリケーション(映像中継、映像監視等)から進むものと想定されている。 その後、コアネットワークが4Gのものからネットワーク・スライシング等に対応した5Gコアネットワークに置き換えられていき、SA構成でNR基地局が運用される段階に達すると、超高速だけでなく超低遅延や多数同時接続に対応したサービスの提供がより進むことが想定される。具体的には、遠隔制御やコネクティッド・カー、ロボット等のIoT関係の実装が進んでいくことによって、5Gの真価が発揮されることとなる。 図表2-4-1-1 5Gの社会実装に向けたロードマップ (出典)総務省(2020)「第五世代移動通信システムのもたらす経済及び社会の変革に関する調査研究」