(1)コンテンツの大容量化 まず要因の一つとして、コンテンツの大容量化が挙げられる。例えば、近年では、動画や音楽、ゲームといったエンターテインメントのコンテンツを、インターネットを通じて楽しむことが一般的になってきており、動画配信サービスの契約者数及び音楽配信サービスの契約者数は大きく伸びている(図表3-1-2-1)。これらのコンテンツは文字や画像といったコンテンツに比べてデータ量が大きいことから、このような動画や音楽配信等のサービスの普及がデータ流通量の増大につながっているものと考えられる。 図表3-1-2-1 世界の動画配信及び音楽配信の市場規模・契約数の推移及び予測(再掲) (出典)Informa 実際に、Sandvine社がとりまとめた世界におけるトラヒックの割合 5 をみると、動画配信サービスが全体のトラヒックの約6割を占めているほか、ゲームも全体のトラヒックの1割弱を占めている(図表3-1-2-2)。同社によると、動画配信の中でも、特にNetflixやYouTubeが大きなシェアを占めており、この2つのサービスで動画配信サービスのトラヒックの4割弱を占めるとしている。 図表3-1-2-2 カテゴリー別のトラヒックのシェア (出典)SANDVINE(2019)“The Global Internet Phenomena Report September 2019”を基に作成 前述したエリクソンのレポートでは、移動通信のトラヒックにおいてこの傾向が今後も続き、2025年にかけて年率で30%の伸びとなることを予想している(図表3-1-2-3)。 図表3-1-2-3 カテゴリーごとの移動通信のトラヒック量の予測 (出典)Ericsson“Ericsson Mobility Visualizer”を基に作成 5 SANDVINE(2019)“The Global Internet Phenomena Report September 2019” (https://www.sandvine.com/hubfs/Sandvine_Redesign_2019/Downloads/Internet%20Phenomena/Internet%20Phenomena%20Report%20Q32019%2020190910.pdf)