3 「誰一人取り残さない」デジタル化の推進 我が国を取り巻く社会・経済課題を乗り越え、コロナ後に目指すべき社会を実現するためにも、我が国社会全体のデジタル化を進めていくことが、今まで以上に重要となっている。 海外では、デジタルを社会に定着させるための手法として、デジタルの利用を法令で義務づける国も存在しているが、我が国ではこれまでもデジタルの利用に関しては、利用者である国民・企業の自主性に委ねてきたことや、デジタルに慣れていない人々が一定数存在することもあり、ただちに利用を義務づけることはかえって社会的混乱を引き起こしかねないとされてきた。他方、消費者へのアンケート結果等からも、デジタルへの接触経験の多寡がデジタルに対する受容性に大きく影響することが明らかとなっており、今後、デジタルの社会への定着を図るには、デジタルへの接触機会を増やしその価値を実感できるようにするなど、全ての人にデジタルの恩恵を受けられる機会を与える「誰一人取り残さない」ための取組が必要となる。 今後、「誰一人取り残さない」デジタル化に必要な取組について、@利用者である国民のデジタル活用の促進、A供給者である民間企業・公的分野におけるデジタル化の推進、及びBデジタル社会の共通基盤の構築に分けて説明する。なお、これらの取組は、相互に関係する要素も多いことから、個別に取組を進めるのでなく、戦略的・一体的に進めていく必要がある(図表3-1-3-1)。 図表3-1-3-1 戦略的・一体的に取り組むべき「誰一人取り残さない」デジタル化 (出典)総務省作成