(2)国内総生産(GDP) ●2019年の情報通信産業の名目GDPは51.7兆円、全産業の9.4%を占める 2019年の情報通信産業の名目GDPは51.7兆円であり、前年(51.7兆円)と比較すると0.1%の減少となった。また、主な産業の名目GDPの規模をみると、情報通信産業は全産業の9.4%を占め、「商業」(61.7兆円)「不動産」(66.9兆円)に次ぐ規模となっている(図表4-1-1-4、図表4-1-1-5)。情報通信産業を「商業」「不動産」と比べた場合、名目国内生産額では上回っているにもかかわらず、名目GDPでは下回っているということは、情報通信産業はこれら産業に比べて中間投入(他産業の生産に利用された原材料やサービス等)となっている分が多いことを意味する。 図表4-1-1-4 主な産業のGDP(名目及び実質) (出典)総務省「令和2年度 ICTの経済分析に関する調査」(2021) 図表4-1-1-5 主な産業のGDP(名目及び実質)の推移 6 (出典)総務省「令和2年度 ICTの経済分析に関する調査」(2021) 2015年価格による実質GDPでみると、2019年では情報通信産業は全産業の9.9%を占めている(図表4-1-1-4)。また、2018年から2019年にかけての実質GDPの成長率を主な産業別に見ると、情報通信産業は0.9%であり、「医療・福祉」(2.4%)、「対事業所サービス」(1.4%)、「対個人サービス」(1.1%)に次ぐ成長率となっている(図表4-1-1-5)。 情報通信産業の部門別に名目GDPの推移を見てみると、名目国内生産額の場合と同様、「情報通信関連製造業」(年平均成長率では-4.7%)や「情報通信関連建設業等」(年平均成長率では-9.8%)において減少傾向が顕著である一方で、「インターネット附随サービス業」は大幅に増加している 7 (図表4-1-1-6)。 図表4-1-1-6 情報通信産業のGDP(名目及び実質)の推移 8 (出典)総務省「令和2年度 ICTの経済分析に関する調査」(2021) 6 数値の詳細については巻末データ3及びデータ4を参照。 7 2005年〜2019年の年平均成長率は、4.7%となっている。 8 数値の詳細については巻末データ8及びデータ9を参照。