第5章 ICT政策の動向 第1節 総合戦略の推進 1 国家戦略の推進 2020年(令和2年)に「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」が閣議決定された。これは、デジタル社会の将来像、施策の策定に係る方針等を定める高度情報通信ネットワーク社会形成基本法の見直しの考え方、デジタル庁設置の考え方等について、政府の方針を示すものである。デジタル社会を形成するために、@オープン・透明、A公平・倫理、B安全・安心、C継続・安定・強靱、D社会課題の解決、E迅速・柔軟、F包摂・多様性、G浸透、H新たな価値の創造、I飛躍・国際貢献を基本原則とした施策の展開を進めていくこととしている。 これを踏まえ、2021年(令和3年)2月には、デジタル社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進するため、デジタル社会の形成に関する内閣の事務を内閣官房と共に助けること及びデジタル社会の形成に関する行政事務の迅速かつ重点的な遂行を図ることを任務とするデジタル庁の設置法案を含めたデジタル改革関連6法案が閣議決定され、同年5月に国会で可決・成立し、公布された。 2021年6月には「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定された。同計画は、デジタル社会形成基本法(令和3年法律第35号)の施行(2021年9月1日)を見据え、同法第37条第1項に規定する「デジタル社会の形成に関する重点計画」に現時点において盛り込むべきと考えられる事項を示したもので、@我が国が目指すデジタル社会と推進体制や、Aデジタル社会の形成に向けた基本的な施策が記載されている。