(6)移動衛星通信システム 人工衛星に使用される機器の小型軽量化や衛星打上げ費用の低廉化により、小型の人工衛星の実用化が比較的容易になっていることを受け、中・低軌道に打ち上げた多数の小型非静止衛星を連携させて一体的に運用する「衛星コンステレーション」を構築することが可能となってきている。静止衛星に比べ、低い軌道である中・低軌道を周回する非静止衛星は、通信の遅延時間が短くなるため、衛星コンステレーションでは、世界全域を対象として、緊急時・平時を問わず、陸上・海上・航空機上において高速大容量通信など多様なサービスを提供することが可能であり、世界的に様々な衛星コンステレーションシステムが計画されている。 最近では、衛星コンステレーションによるL帯を用いた既存のシステムが、2021年(令和3年)に高度化システムのサービス開始予定であるため、我が国でもシステムの高度化を可能とするための検討を行った。2019年(平成31年)2月に情報通信審議会情報通信技術分科会から一部答申を受け、L帯を用いた非静止衛星システムの高度化システムの導入に向けた制度整備を2020年(令和2年)11月に実施した。 また、高度約500kmの軌道を利用する衛星コンステレーションによるKu帯非静止衛星通信システムが、2021年(令和3年)にもサービス開始予定であるため、我が国でもサービスを導入可能とするための検討を行った。2020年(令和2年)12月に情報通信審議会情報通信技術分科会から一部答申を受け、総務省において制度整備が進められている。