(3)公共インフラとしての電話リレーサービス 「電話リレーサービス」とは、手話通訳者などが通訳オペレータとして、聴覚障害者等(聴覚、言語機能又は音声機能の障害のため、音声言語による意思疎通を図ることに支障がある者)による手話・文字を通訳し、電話をかけることにより、聴覚障害者等と、聴覚障害者等以外の方との意思疎通を仲介するサービスである(図表5-6-2-2)。 図表5-6-2-2 電話リレーサービスの概要 電話は、国民の日常生活及び社会生活において、遠隔地にいながら、リアルタイムで意思疎通を可能とする基幹的な手段である一方、専ら音声により意思疎通を図る手段であるため、聴覚障害者等は、電話を利用した日常生活のコミュニケーションや緊急時の速やかな救助の要請等に困難を伴うといった課題があり、自立した日常生活及び社会生活を送る上で支障が生じている状況がある。 このような背景を踏まえて、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化のため、公共インフラとしての「電話リレーサービス」の適正かつ確実な提供を確保する必要があることから、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」(令和2年法律第53号)が、2020年(令和2年)12月1日に施行された。 2021年(令和3年)1月、総務大臣は、この法律に基づき、電話リレーサービスの提供主体となる「電話リレーサービス提供機関」として、一般財団法人日本財団電話リレーサービスを指定した。また、電話リレーサービス提供機関の運営費用となる交付金の交付や電話提供事業者からの負担金の徴収などを適正かつ確実に行う「電話リレーサービス支援機関」として、一般社団法人電気通信事業者協会を指定した。電話リレーサービス提供機関の計画によると、2021年(令和3年)7月から、公共インフラとしての電話リレーサービスが開始される予定となっている。