(5)無料公衆無線LAN環境の整備促進 スマートフォンやタブレット等の無線LANを搭載した携帯端末の普及を背景として、無線LANを利用する機会が増えてきており、無線LANは、家庭、オフィス及び公衆スポット等における快適なワイヤレスブロードバンド環境の実現のために必要不可欠な存在となっているが、防災拠点等を中心とした公衆スポット等では、Wi-Fi環境の整備が十分に進んでいない。また、公衆無線LANは、訪日外国人観光客からのWi-Fi環境に対するニーズが高いこと、災害時に電話回線が輻輳のために利用できない場合でも効果的に情報を受発信できる通信手段として有効であることといった側面がある。 これらを踏まえ、総務省では、2016年(平成28年)12月、地方公共団体に対する調査結果を踏まえ、整備箇所数や時期を示す「防災等に資するWi-Fi環境の整備計画」を策定し、当該計画に基づきWi-Fi環境の整備を推進することで、災害時の必要な情報伝達手段の確保を推進している。なお、平時においては、教育での活用等により利便性の向上を図ることとしている。 この「整備計画」に基づき、普通地方公共団体及び第三セクターによる整備を後押しするために、総務省では2017年度(平成29年度)から「公衆無線LAN環境整備支援事業」を実施しており、災害発生時に地域住民や来訪者への災害情報の収集等に寄与する公衆無線LAN環境の整備を推進している(図表5-6-2-3)。 図表5-6-2-3 「公衆無線LAN環境整備支援事業」の概要 なお、大規模災害時において電気通信事業者等の公衆無線LANネットワークを開放することは、被災地における通信手段確保の観点から重要な取組であり、「無線LANビジネス推進連絡会」が定めるガイドラインを踏まえて、災害用統一SSID「00000JAPAN」が「平成28年(2016年)熊本地震」以降の大規模災害(直近では令和2年7月豪雨、台風10号)等において運用されている。