第4章 総務省におけるICT政策の取組状況 第1節 総合的なICT政策の推進 1 現状と課題 (1) 少子高齢化社会の到来と地方経済の疲弊 我が国では、少子化や人口減少が深刻さを増している。出生数の減少は予想を上回るペースで進んでおり、一旦は 1.45 まで回復した合計特殊出生率もここ数年微減傾向にある。少子化の進行は、人口(特に生産年齢人口)の減少と高齢化を通じて、労働供給の減少、将来の経済や市場規模の縮小、経済成長率の低下、地域・社会の担い手の減少、現役世代の負担の増加、行政サービスの水準の低下など、社会経済に多大な影響を及ぼす。 特に、多くの地域において、交通弱者の増加、医療・介護サービスの担い手不足、地域の小売・生活関連サービスの衰退、インフラ維持管理の負担増など、地方創生に向けて解決すべき様々な社会課題が山積している。 このような中で、ICTの活用により、育児・介護・障害などこれまで様々な社会的要因によって就労の機会を得ることが難しかった人々の就業を促進することが可能となるとともに、企業の生産性の向上や業務プロセスの改善などにも資することが期待される。また、デジタル技術を活用した新たな価値創造の仕組みを構築することで、地域の課題解決や魅力向上につなげることが可能となる。