(2) 激甚化する災害への備え 近年、気候変動の影響により気象災害が激甚化・頻発化し、また、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震などの大規模地震の発生も切迫している。また、高度成長期以降に集中的に整備されたインフラが今後一斉に老朽化することから、インフラの維持管理・更新を確実に実施する必要があるが、未だ予防保全型のメンテナンスサイクルは確立できておらず、適切に対応しなければ、中長期的なトータルコストの増大を招くのみならず、我が国の行政・社会経済システムが機能不全に陥る懸念がある。 このような国家の危機に打ち勝ち、国民の生命・財産を守り、国家・社会の重要な機能を維持するためには、防災・減災、国土強靱化の取組の加速化・深化を図り、災害に屈しない強靱な国土づくりを進める必要がある。 防災・減災、国土強靱化の取組をより効率的に進めるためには、近年急速に開発が進むデジタル技術の活用などが不可欠である。ICTの活用により、災害情報の効率的・効果的な伝達などの質の高い災害対策が可能となり、災害に強いレジリエントな社会の実現につながることが期待される。また、放送ネットワークの強靱化・耐災害性強化に向けた取組を推進することによって、災害時にも放送による確実かつ迅速な情報伝達を確保する必要がある。