(2) 接続ルールなどの整備 ア モバイル接続料の算定方法の見直し 2021年(令和3年)2月以降、携帯電話事業者各社からモバイル通信の低廉な料金プランの提供が順次開始されるなど、今後、モバイル市場におけるMNO・MVNOの競争により更なる料金の低廉化やサービスの高度化・多様化が期待される。 総務省では、「接続料の算定等に関する研究会」の「第五次報告書」(2021年(令和3年)9月)を踏まえ、電気通信事業法施行規則等の一部を改正し、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に対して、モバイル接続料の算定方法の詳細や算定根拠の具体的な値などの報告を求める制度整備を行った。 イ 卸電気通信役務に係る制度の見直し MNOの音声通話料金(従量制)については長年値下げが行われていなかったところ、その背景として、MNOとMVNO間の協議が有効に機能せず、音声卸料金が長年高止まりしていたことが「競争ルールの検証に関する報告書2021」や「接続料の算定等に関する研究会」の「第五次報告書」等において指摘された。 「接続料の算定などに関する研究会」の提言(2022年(令和4年)2月)を踏まえ、指定設備を用いて提供される卸電気通信役務について、卸元事業者が卸先事業者の求めに応じて、卸電気通信役務を提供する義務や協議の円滑化に資する情報を提示する義務などを新たに規定する電気通信事業法の一部を改正する法律案が同年3月に国会に提出され、同年6月に成立した。総務省では、今後、その円滑な施行に向けた詳細検討を行う予定である。 ウ 固定電話に係る接続制度の見直し 「IP網への移行の段階を踏まえた接続制度の在り方」について、2020年(令和2年)4月に情報通信審議会に諮問し、同年9月に一部答申、2021年(令和3年)9月に最終答申を受けた。 最終答申を踏まえ、第一種指定電気通信設備制度において各電気通信事業者が設置する加入者回線の占有率を算定する範囲を都道府県単位から各事業者の業務区域に見直すこと等を内容とする電気通信事業法の一部を改正する法律案が2022年(令和4年)3月に国会に提出され、同年6月に成立した。総務省では、今後、その円滑な施行に向けた詳細検討を行う予定である。 また、最終答申を踏まえ、総務省では、IP網への移行過程における加入電話の音声接続料に係る規定を整備するために第一種指定電気通信設備接続料規則(平成12年郵政省令第64号)の改正を行うとともに、加入電話発−携帯電話着の通話などの料金設定権に関して電気通信事業法関係審査基準(平成13年総務省訓令第75号)の改正及び利用者料金の設定権に関する裁定方針の策定を行った。