(3) 衛星コンステレーション 人工衛星に使用される機器の小型軽量化や衛星打上げ費用の低廉化により、小型の人工衛星の実用化が比較的容易になっていることを受け、中・低軌道に打ち上げた多数の小型非静止衛星を連携させて一体的に運用する「衛星コンステレーション」の構築が可能となってきている。衛星コンステレーションでは、通信の遅延時間が短い中・低軌道を周回する非静止衛星を用いるため、世界全域を対象として、緊急時・平時を問わず、陸上・海上・航空機上で、高速大容量通信など多様なサービスの提供が可能であり、世界的に様々な衛星コンステレーションシステムが計画されている。 総務省では、2020年(令和2年)11月に、衛星コンステレーションによるL帯を用いた既存のシステムの高度化システムの導入に必要な制度整備を行い、2022年(令和4年)にサービスが開始された。また、2021年(令和3年)8月に、高度約500kmの軌道を利用する衛星コンステレーションによるKu帯非静止衛星通信システムの導入に必要な制度整備を行い、2022年(令和4年)中にもサービスが開始されることが期待されている。さらに、高度約1200kmの極軌道を利用する衛星コンステレーションによるKu帯非静止衛星通信システムの導入に必要な制度整備案について2022年(令和4年)3月に電波監理審議会から答申を受けたところであり、近く制度整備を実施する予定である。