(6) メタバース等の利活用に関する課題整理 近年の通信の高速化、コンピューターの描画性能向上等に伴い、ユーザー間で「コミュニケーション」が可能な、インターネット等のネットワークを通じてアクセスできる仮想的なデジタル空間である「メタバース」が新たに普及し始め、全国の様々な地域がメタバース上で再現されたり、メタバース上で経済活動が行われたりするなど高い注目を集めている。メタバースは、サイバー空間において距離や時間、活動範囲など様々な制約から解放されるため、今後の我が国の発展に向け、社会の変革に大きな可能性を有しており、今後も市場の拡大が見込まれている。 総務省では、メタバースに係るイノベーションの促進に取り組むとともに、普及の過度な制約にならないよう留意しつつ、安全・安心なサイバー空間の確保に向けた対応を進めることが必要であるという認識の下、将来的にメタバースがより一般に普及することを見据え、サイバー空間に関する新たな課題について、様々な問題として顕在化してから検討を始めるのではなく、まずは、どのような課題が存在する・しうるのか把握・整理すべく、2022年(令和4年)8月から「Web3時代におけるメタバース等の利活用に関する研究会 9 」を開催している。 同研究会では、メタバース等の仮想空間の利活用に関して、利用者利便の向上、その適切かつ円滑な提供及びイノベーションの創出に向け、ユーザーの理解やデジタルインフラ環境などの観点から、様々なユースケースを念頭に置きつつ情報通信行政に係る課題の整理に取り組んでおり、2023年(令和5年)2月にはこれまでの議論を整理した中間取りまとめを公表 10 した。その後も引き続き検討を進めており、同年夏頃に報告書を取りまとめる予定である。 9 「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」の開催(報道資料) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000109.html 10 https://www.soumu.go.jp/main_content/000858216.pdf