(1) 主要なLLMの概要 生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)の開発では、マイクロソフトやグーグルなど米国ビックテック企業などが先行している状況にある。 しかし、日本以外の企業・研究機関がクローズに研究開発を進めたLLMを活用するだけでは、LLM構築の過程がブラックボックス化してしまい、LLMを活用する際の権利侵害や情報漏えいなどの懸念を払拭できない。日本語に強いLLMの利活用のためには、構築の過程や用いるデータが明らかな、透明性の高い安心して利活用できる国産のLLM構築が必要となる 3 。すでに日本の企業においても、独自にLLM開発に取り組んでおり、ここではその動向を紹介する。 ビッグテック企業が開発したLLMと比べると、日本では、中規模モデルのLLMが開発されている傾向が見られる(図表T-4-1-2)。 図表T-4-1-2 各モデルのパラメータ数 (出典)企業HP、ニュース記事などの情報を基に作成 4 3 産業技術総合研究所プレスリリース「産総研の計算資源ABCIを用いて世界トップレベルの生成AIの開発を開始−産総研・東京工業大学・LLM-jp(国立情報学研究所主宰)が協力−」(2023年10月17日),(2024/3/22参照) 4 OpenAI「GPT4」のパラメータ数は非公表。