(1) グローバル及び国内デジタル市場における日本企業のシェアの動向 今日のデジタル社会において重要な位置を占めるデジタルサービスや機器・端末に関して、海外事業者は非常に大きな存在感を示している。 ア 国内市場におけるシェア・動向 クラウドサービスに関して、日本におけるIaaS・PaaS市場をみると、Amazon Web Services、Microsoft、Googleの3社がシェアを大きく拡大している(図表T-1-3-4)。また、国内での定額制動画配信の市場シェアは、2024年においてNetflixが21.5%で最も高く、国内市場シェアにおける海外企業比率は半数を超えている(図表T-1-3-5)。 国内の動画共有サービスやSNSに関していえば、YouTubeの利用率が2024年で8割を超えているほか、X、Instagram、TikTok等といった海外事業者のサービスの利用率が、年々上昇している 9 。 デジタル機器に関していえば、例えば、2024年の日本のスマートフォン市場のシェアは、Appleが59%、次いでGoogleが10%と、海外事業者が大きな割合を占めている(図表T-1-3-6)。 図表T-1-3-4 日本における市場シェア上位3社合計の市場シェア及びAmazon Web Services等3社合計の市場シェアの推移(IaaS及びPaaS合計) (出典)公正取引委員会「クラウドサービス分野の取引実態に関する報告書」 10 図表T-1-3-5 定額制動画配信サービス別 国内市場シェア(2024年) (出典)GEM Partners株式会社資料を基に作成 11 図表T-1-3-6 日本のスマートフォン市場のシェア(2024年) (出典)Omdia イ グローバル市場におけるシェア・動向 グローバルデジタル市場における日本企業の売上高ベースのシェア 12 をカテゴリーごとにみると、2023年において、半導体、電子部品や家電・OA機器等の一部のカテゴリーを除き、おおむね10%前後又はそれ以下にとどまっていると推計されている(図表T-1-3-7)。個別機器・サービスをみても、グローバル市場規模が大きいスマートフォン、パソコン、サーバーで一桁のシェアにとどまっている。なお、携帯電話基地局全体ではグローバルシェアでは一桁であるが、オープンvRAN 13 市場だけでみると29%となっている(図表T-1-3-8)。 図表T-1-3-7 グローバルICT市場の国・地域別シェアの推計(カテゴリー別)(2023年) (出典)総務省「IoT国際競争力指標」を基に作成 図表T-1-3-8 グローバルICT市場の国・地域別シェアの推計(機器別)(2023年) (出典)総務省「IoT国際競争力指標」を基に作成 【関連データ】グローバルICT市場の国・地域別シェアの推計(カテゴリー別)(2018年、2023年比較) URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/datashu.html#f00057(データ集) 【関連データ】グローバルICT市場の国・地域別シェアの推計(機器別)(2013年、2023年比較) URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/datashu.html#f00058(データ集) 9 第T部第1章第1節1(2)(3)参照 10 公正取引委員会「クラウドサービス分野の取引実態に関する報告書」〈https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/jun/220628.html〉 11 GEM Partners株式会社「2024年の定額制動画配信市場は推計5,262億円、U-NEXTがシェア最大の伸び、6年連続首位のNetflixに迫る」〈https://www.gem-standard.com/columns/1023〉 12 「総務省IoT国際競争力指標」(2023年)を基に作成。なお、本シェアは、世界の企業約1,700社を対象として企業本社所在地別に集計したデータを基に作成している。集計データの制約から、必ずしもすべての企業を網羅的に計算できていない可能性がある点には留意。また、端数処理の関係や、本推計対象から外れる企業があり得ること等から、例えば、0%と表記されていても、当該国・地域のシェアが全く無いことは意味せず、若干のシェアを有する場合もある。 13 基地局機能をソフトウェア化し、異なるメーカーの機器やソフトを組み合わせられるように標準化した仕組み