(2) AI分野における日本の存在感の低迷 日本のAI分野の研究開発は、米国等海外でAI開発をリードする企業等と比べると、十分に高い評価を受けていないのが現状である。 例えば、2024年11月にスタンフォード大学のHAI(Human-Centered Artificial Intelligence)が発表した、2023年のAI活力ランキングによれば、日本は総合9位であった 2 。 この背景には様々な要因が考えられるが、海外のAI先進国がリードしている背景としては、例えば、投資とデータ、人材の面で言えば、米国では、膨大な資金力とデータ、先進的な技術開発力を活用できるビッグテック企業等が、スタートアップ企業等を含め長期的な投資をしてきたこと、また、生成AI関連市場を構成するアプリケーションからモデル、インフラ(計算資源、専門人材、データ)層に至る各層に対し、これまでの事業で構築した事業基盤を活用した優位性を持っていることや、中国でも、大型プラットフォーム事業者等による技術開発や投資が可能となる体制が存在していることが挙げられる 3 。 2 第T部第1章第2節1(3)「日本のAI開発・事業展開の動向」参照 3 第T部第1章第3節1(2)ウ「生成AI分野の先導」参照