(2) 今後の課題と方向性 近年、我が国を取り巻くサイバーセキュリティ情勢は年々複雑化・高度化しており、大手事業者のデータセンターを狙ったランサムウェア攻撃により事業に支障を与える事例や、生成AIを利用することで、技術的な知識なしにランサムウェアを作成した事例も発生している。また、デジタル化の急速な進展に伴うIoT機器の増加や、サプライチェーンの多様化により、攻撃対象は拡大し続ける一方、国際関係の変化は加速し、安全保障情勢も厳しさを増している。 このように、サイバー攻撃の複雑化・巧妙化が進んでいるなかで、その攻撃対象は重要インフラ等にも及び、国民生活や経済活動に影響を与えかねないというように、サイバー空間を取り巻くセキュリティリスクは深刻化している。 サイバー空間が公共空間化する中で、これらの情勢変化を認識しつつ、その基盤となるICT(情報通信技術)を国民一人ひとりが安心して活用できるよう、サイバーセキュリティを確保することがますます重要になっている。 これらを踏まえ、総務省が関係機関や民間企業等と連携し、我が国のサイバーセキュリティ政策に率先して取り組むことにより、サイバー空間における安全・安心の確保に貢献していく。