(2) 今後の課題と方向性 我が国は、少子高齢化による労働人口の減少や国内市場の縮小が見込まれるなど、厳しい経済環境である。また、災害の激甚・頻発化への対処や、50年以上経過する公共インフラの老朽化対応など、課題が山積している。 このような課題を解決する上で、デジタルは、地域社会の生産性や利便性を飛躍的に高め、産業や生活の質を大きく向上させ、地域の魅力を高める力を持っている。政府は2024年度に「新しい地方経済・生活環境創生本部」を設置し、「地方こそ成長の主役」との発想に基づき、日本経済成長の起爆剤としての大規模な地方創生策の検討を開始し、「地方創生2.0の「基本的な考え方」」や「地方創生2.0「基本構想」」において、デジタル・新技術の徹底活用を柱の一つに掲げている。 そして、SNSプラットフォーム事業者が提供するサービスは生活の利便性向上に貢献する一方、インターネット上で流通する誹謗中傷や偽・誤情報の流通・拡散の問題が顕在化している。さらに、生成AIや仮想空間(メタバース)といった新たな情報通信技術の登場により、デジタル空間が大きく変容している。 こうした課題等を踏まえ、地域社会・経済の活性化に資するDX(デジタル変革)の推進やデジタル空間の健全性確保と新たな発展の牽引、そして、安心・安全な情報利用環境の整備を行うことが重要である。