(4) メタバースの安心・安全な利活用の促進 総務省では、安全・安心なサイバー空間の確保に向けた対応を進めることが必要であるという認識の下、将来的にメタバースがより一般に普及することを見据え、サイバー空間に関する新たな課題について把握・整理すべく、2022年8月から「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会 19 」を開催し、2023年7月に報告書 20 を取りまとめた。 報告書の内容を受け、メタバースの民主的価値に基づく原則等の検討やメタバースに係る技術動向等のフォローアップを行うとともに、国際的なメタバースの議論にも貢献することを目的として2023年10月から新たに「安心・安全なメタバースの実現に関する研究会 21 」を開催し、2024年10月に、メタバースの民主的価値の実現によるユーザーの安心・安全の確保のためにメタバース関連サービス提供者へ期待される取組をまとめた「メタバースの原則(第1.0版)」を含む「報告書2024 22 」を取りまとめた。 「報告書2024」の内容を受け、総務省では、「メタバースの原則(第1.0版)」を踏まえた国際的な共通認識の醸成に向けた取組のほか、安心・安全なメタバースの実現とこれに基づく利活用促進を進めている。国外に向けては、OECDのデジタル政策委員会や、欧州委員会が2025年3月〜4月に開催した「Web4.0と仮想世界のガバナンスに関するハイレベルマルチステークホルダー会合」等において、「メタバースの原則(第1.0版)」をはじめとする国内での議論を紹介した。また、国内においては、メタバースに関わる企業、団体、研究者等が参加し、ユーザーの安心・安全の確保に向けた取組や、メタバース導入成功の要点、導入効果等について議論を行うことを目的としたシンポジウム「安心・安全なメタバースの利活用促進を考える」 23 を2025年3月に開催した。 「安心・安全なメタバースの実現に関する研究会」では、AR(Augmented Reality 拡張現実)・MR(Mixed Reality 複合現実)デバイスの進展やメタバースの多目的化、導入市場の進展に鑑み、議論の対象を個人間のコミュニケーション・エンターテインメント目的のVRメタバースから、メタバースの実現・利用を可能とする技術の内容を問わない様々な目的のメタバースに拡大し、上述のシンポジウムの議論なども踏まえながら、「メタバースの原則(第1.0版)」の更新も見据え、議論を進めている。 19 「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」の開催(報道資料) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000109.html 20 https://www.soumu.go.jp/main_content/000892205.pdf 21 「安心・安全なメタバースの実現に関する研究会」の開催(報道資料) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000121.html 22 https://www.soumu.go.jp/main_content/000974751.pdf 23 シンポジウム「安心・安全なメタバースの利活用促進を考える」の開催(報道資料) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu20_02000001_00012.html 総務省「安心・安全なメタバースの利活用促進を考える」シンポジウム開催報告 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000157444.html