(5) 東南アジア諸国連合(ASEAN) 東南アジア諸国連合(ASEAN:Association of South‐East Asian Nations)は、東南アジア10か国からなる地域協力機構であり、経済成長、社会・文化的発展の促進、政治・経済的安定の確保、域内諸問題に関する協力を主な目的としており、「ASEANデジタル大臣会合(ADGMIN)」においてデジタル分野における政策が協議されている。 ア 「ASEANデジタルマスタープラン2025」における目標達成への貢献 2021年1月に策定された「ASEANデジタルマスタープラン2025」の目標達成に向けて、我が国は日ASEAN間の今後の1年間のICT分野における協力・連携施策に関する「日ASEANデジタルワークプラン」を毎年提案し、ASEAN側から承認を得た上で様々な協力を実施している。例えば、我が国拠出金により設立された日ASEAN情報通信技術(ICT)基金などを活用しASEAN各国と共同プロジェクトを実施しており、2024年度は、日本とASEAN各国とのサイバーセキュリティに関する情報共有や意見交換を目的とした「Workshop for Regional CERT Cooperation and Cybersecurity Standards in ASEAN」を開催した。 イ サイバーセキュリティ分野における協力体制の強化 現在、日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC:ASEAN Japan Cybersecurity Capacity Building Centre) 17 で、ASEAN各国の政府機関及び重要インフラ事業者のサイバーセキュリティ担当者を対象として、実践的サイバー防御演習(CYDER)をはじめとするサイバーセキュリティ演習などをオンライン形式又は実地形式にて継続的に実施している。2023年からは新たなプロジェクト体制のもと、2027年まで演習コンテンツなどの充実化を図りながら活動が継続される予定となっている。 また、総務省では、ASEAN各国のインターネットサービスプロバイダー事業者を対象とした日ASEAN情報セキュリティワークショップを定期的に開催するなど、関係者間の情報共有の促進及び連携体制の構築・強化を図っている。2025年3月に会合を実施し、日本およびASEAN各国間のサイバーセキュリティ分野における協力・連携関係の維持・発展を図っている。 17 AJCCBC:https://ajccbc.ncsa.or.th/