(10) GPAI GPAI(The Global Partnership on Artificial Intelligence)は、人間中心の考え方に立ち、「責任あるAI」の開発・利用を実現するため設立された国際的な官民連携イニシアティブである。2019年ビアリッツサミット(フランス)においてGPAIの立ち上げが提唱され、2020年5月の米議長国下のG7科学技術大臣会合において立ち上げに関するG7の協力に合意した後、同年6月に14ヵ国とEUが参加して創設された。 2022年11月、GPAIサミット2022を日本で開催し、同月から1年間我が国が議長国を務めた。閣僚理事会において、議長国である日本のイニシアティブによりGPAIサミットでは初となる閣僚宣言が採択され、人間中心の価値に基づくAIの利用促進、AIの違法かつ無責任な使用への反対、持続可能で強靱かつ平和な社会への貢献等について各国で合意した。 2023年12月、2024年の議長国を務めるインドがGPAIサミット2023を開催し、閣僚宣言において、AI研究とイノベーションのための重要な資源(例:AIコンピューティング、高品質なデータセット等)への公平なアクセスを促進することを目的としたプロジェクトを支援すること、アジア地域初となるGPAI東京専門家支援センター(GPAI東京センター)を設置すること等が合意された。 さらに、2024年7月、議長国のインドは、臨時でGPAI中間サミットを開催し、OECDの関連作業部会との一体的運営とAI専門家コミュニティの統合により、GPAIとOECDの連携を強化することが決定された。 また、同月、GPAI東京センターは、に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)に設置され、GPAIの枠組みの下、広島AIプロセスの推進に資する生成AIに関するプロジェクトをはじめ、GPAI専門家による調査研究やプロジェクトに対し、運営・管理面での支援を提供している。 2024年12月、2025年の議長国であるセルビアがGPAIサミット2024を開催した。新規加盟国(開発途上国、新興国を含む。)を、OECDのAI原則(AIに関する理事会勧告)に基づき迎えること、フランスの提案に基づき、GPAI加盟候補国を招待し、非公式閣僚会合をフランス主催AIアクション・サミット(2025年2月)の機会に開催すること、2026年の議長国をスロバキアとすること等が承認された。