3 国際分野における郵政行政の推進 (1) 万国郵便連合(UPU)への対応 国際連合の専門機関の一つである万国郵便連合(UPU)は、国際郵便に係るルールを形成し、世界の郵便ネットワーク・サービスの発展を担うことによって文化、社会及び経済の分野における国際協力に寄与することを目的として1874年に設立され、2024年に150周年を迎えた。近年では、新型コロナウイルスのパンデミック後も国際郵便物の取扱総量が回復していない厳しい状況の中、越境電子商取引の拡大に対応した適切な国際郵便の枠組の策定を担う機関として、国際物流の発展に大きな役割を果たすことがより期待されている。 このような中、2022年1月から、我が国の目時政彦氏が、日本人唯一の国連専門機関トップとしてUPUの国際事務局長(任期:1期4年間、最大で2期まで可能)を務めており、UPUの機能強化や財政再建などに主導的に取り組んでいる。その強力なリーダーシップはUPU加盟国からも高い評価を得ており、引き続き2期目を務めることが適当であるとの考えから、我が国政府は、2025年9月にアラブ首長国連邦(ドバイ)で開催予定の万国郵便大会議において実施されるUPU国際事務局長選挙において、現職の目時氏を擁立し、再選(2期目:2026年〜2029年)を目指している。また、我が国は、管理理事会(41議席)及び郵便業務理事会(48議席)の理事国選挙にも立候補している。我が国としては、これらの選挙について、UPU加盟国政府への積極的な働きかけを行い、着実な支持獲得を進めている。 更に、総務省としては、目時国際事務局長のリーダーシップを積極的に支え、UPUへの更なる貢献を図る観点から、UPUとの間の協力覚書に基づき、災害に強い郵便ネットワーク構築の取組や、郵便ネットワークの経済的、社会的活用等への取組支援、環境への負荷の少ない郵便ネットワーク構築を通じた気候変動対応の取組など、UPU加盟国における協力プロジェクトの実施を支援している。このような取組を通じて、我が国として、世界の郵便ネットワーク・サービスの一層の発展に積極的に貢献している。