(6) 経営・コーポレート業務 ア 経営業務 経営業務におけるAI活用の事例としては、キリンホールディングスの取組が挙げられる。キリンホールディングスは、過去10年分の取締役会、グループ経営戦略会議の議事録データ、社内データ、外部の最新情報を読み込ませ、財務、マーケティングなど異なる役割を持たせたAI役員「CoreMate」を開発した。CoreMateは、経営戦略会議で付議を行う予定の起案者が事前の壁打ちに活用することで、多様な経営視点を取り込み、資料作成の精度も向上する等、生産性の向上に寄与するとしている。また、キリングループの経営知見に加え、外部の専門知識も継続的にアップデートしており、それらのデータと、経営会議の会議中の発言から抽出された論点や意見を経営陣に提示できるため、CoreMateを活用することで、変化の激しい外部環境に対応しながら、イノベーション創出につながる意思決定を加速することが期待されるとしている(図表T-2-1-19) 23 。 図表T-2-1-19 経営業務におけるAI活用(キリンホールディングス) (出典)キリンホールディングス「「KIRIN Digital Vision2035」に基づき、AI役員を導入」 イ コーポレート業務 コーポレート業務におけるAI活用に関しては、経理・財務の領域について、以下に事例を概観する。 経理・財務領域においては、スタートアップのラクスの事例が挙げられる。ラクスは、ユーザーがスマートフォンのアプリ上で領収書を選択するだけで、AIエージェントにより最適な精算データの自動作成、関連する事前申請やクレジットカード明細の紐づけ、勘定科目等の入力も自動化できる経費精算システム・サービスを提供している。また、作成された申請の内容については、社内ルールに沿っているかをチェックする機能を活用して確認することができ、申請作業の時間短縮や業務負荷の大幅な軽減に寄与するという 24 。 23 キリンホールディングス株式会社(2025年8月4日)「「KIRIN Digital Vision2035」に基づき、AI役員を導入」〈https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2025/0804_02.html〉(2026年3月25日、4月5日参照) 24 株式会社ラクス「ラクス、経費精算をAIが自動で作成する「楽楽AIエージェント for 楽楽精算」β版を提供開始」〈https://www.rakus.co.jp/news/2025/1201.html〉(2026年2月25日参照)