(2) 接続ルールなどの整備 ア 音声通信における状況変化を踏まえた見直し 電気通信市場は、技術革新のスピードが速く、ネットワーク環境は大きく変化しており、電気通信事業における競争基盤となる接続政策等についても、その変化に対応し、不断に見直しを行うことが必要である。総務省では、2025年10月に、情報通信審議会に対し、「ネットワーク環境の変化を踏まえた接続政策等の在り方」について、諮問したところである。 主な検討事項の一つとして、IP化やメタル縮退を踏まえた音声伝送役務に係る接続ルールの在り方があり、メタル固定電話の契約数の大幅な減少、PSTNからIP網への移行完了、メタル回線設備の縮退等、メタル固定電話に係るネットワーク環境の変化を踏まえ、長期増分費用(LRIC)方式を接続料算定に用いることを含め、メタル固定電話の接続ルールの在り方について検討を行っている。また、PSTNからIP網への移行に伴い、音声接続における事業者間の接続形態も変容していることを踏まえ、音声接続料に係るビル&キープ方式の原則化の検討について、そのメリット・デメリットを含め様々な観点から議論を行っている。 イ モバイル接続料等の算定方法の見直し 電気通信事業法では、主要なネットワークを設置する特定の事業者に対して、接続料・接続条件の公平性・透明性、接続の迅速性を確保するための規律(指定電気通信設備制度)を課しているところ、総務省では、指定電気通信設備の接続料について、認可・届出等の行政手続の中で適正性を確保するとともに、その算定方法等については、情報通信審議会の下に設置された接続政策委員会や同委員会の下で開催している接続料の算定等に関するワーキンググループにおいて議論を行い、接続料の適正性の向上を図っている。 移動通信におけるMNOのネットワークに関する接続料(モバイル接続料)については、「接続料の算定等に関する研究会」における議論等を踏まえ、MNO各社の2024年度接続会計において、音声通信に関する接続料とデータ通信に関する接続料の双方を算定する際の考え方(費用・資産の配賦基準)の更なる見直しが行われた。総務省では、2025年9月の「接続料の算定等に関する研究会 第九次報告書」を踏まえ、2026年1月に「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」の改定を行うとともに、所要の制度整備(「電気通信事業法施行規則等の一部を改正する省令」(令和8年総務省令第4号)、「電気通信事業法施行規則及び第二種指定電気通信設備接続会計規則の一部を改正する省令」(令和8年総務省令第5号)、「電気通信事業法施行規則等の一部を改正する省令」(令和8年総務省令第6号))を行った。 ウ 卸電気通信役務に係る制度の見直し 指定電気通信設備を用いて提供される卸電気通信役務については、卸元事業者の交渉上の優位性等を是正し、卸元事業者・卸先事業者間の協議の適正性を確保するため、「電気通信事業法の一部を改正する法律」(令和4年法律第70号)により、そのうち事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が少なくないものの役務提供義務や協議における情報提示義務が課されることとなった。 総務省では、情報通信審議会の下に設置された接続政策委員会等において、改正法施行後の協議状況・制度の運用状況を確認するとともに、卸電気通信役務と接続機能の代替性に着目した卸料金の検証に関する議論を行うなど、卸電気通信役務の提供に関する協議が活発・実質的に行われること等により、第一種指定電気通信設備及び第二種指定電気通信設備の利用において「接続」と「卸電気通信役務」の利用形態を適正に並立させるための取組を引き続き行っている。