(2) 無線LANの高度化 無線LANは、IEEE(米国電気電子学会)において策定された標準規格が、スマートフォン等に組み込まれ世界的に使用されている。国内でも、駅・空港等の公共の場にアクセスポイントが設置され、オフィスや家庭のみならず、屋外のサービスや学校教育での利用、災害被災地での通信確保等、社会インフラとして国民の重要な通信インフラの一つになっている。将来のモバイル通信のトラヒック増や多様な利用ニーズに対応可能な無線LANシステムの実現が求められる中、海外における動向も踏まえつつ、周波数帯域の拡張を含め無線LANの高度化を進めている。 近年、米国やカナダでは6GHz帯(5925MHz-6425MHz)及び6.5GHz帯(6425MHz-7125MHz)において、屋内外で使用できる高出力なSP(Standard Power:標準出力)モードが導入されており、スタジアム等、多数の利用者が密集し、高速かつ大容量の通信が求められる環境において活用されている(図表U-2-3-5)。また、その他の国々においても、SPモードの導入に向けた動きがある。 我が国においては6GHz帯における低出力の利用のみが認められている状況にあり、6GHz帯及び6.5GHz帯におけるSPモードの導入に向けた検討(6.5GHz帯については周波数帯域の拡張を含む。)を進めることとしている。SPモードの利用に際しては、既存無線局との周波数共用のため、AFC(Automated Frequency Coordination:自動周波数調整)システム 6 が必要となる。 このため、2024年より、米国やカナダの例を参考にしつつ、我が国におけるAFCシステムの運用体制や運用モデルの在り方等に関する基本的な考え方の整理や、AFCシステムに必要となる技術的要件の検討を行い、2026年3月に6GHz帯及び6.5GHz帯における無線LANのSPモードに関する技術的条件案を取りまとめた。今後、制度化に向けた取組を進めることとしている。 図表U-2-3-5 SPモードの利用シーン (出典)「情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会(第11回)資料11−7」((一社)無線LANビジネス推進連絡会) 6 6GHz帯及び6.5GHz帯を利用する既存の無線局等への有害な干渉を回避するために、自動的に利用可能な周波数と最大送信電力を通知するシステム。