(2) 電気通信事業者によるサイバーセキュリティ対策の推進 IoT機器のセキュリティ対策をより実効的なものにするためには、前述の総合的なIoTボットネット対策に加え、ネットワーク側におけるより機動的な対処を行う環境整備が必要と考えられる 3 。 このため、総務省では、2021年度から、大規模化・巧妙化・複雑化するサイバー攻撃に電気通信事業者がより効率的・積極的に対処できるようにするためのサイバーセキュリティ対策に関する総合実証を実施した。「フィッシングサイト等の悪性Webサイトの検知技術・共有手法の実証」においては、Webサービス提供者向けのフィッシング対応実務リファレンスを作成するとともに一般国民向けの普及啓発を実施し、2024年5月にリファレンスの概要を公開した。 また、国際的にも実装が標準的になりつつあるにも関わらず、我が国では普及が十分ではないRPKI 4 、DNSSEC 5 、DMARC 6 等のネットワークセキュリティ技術について、総務省では、ガイドラインの策定支援やハンズオン勉強会の開催等を通じて導入を後押ししている。特に、なりすましメール対策として有効なDMARCの普及は、フィッシングによる不正送金等の被害が拡大している中で重要な課題となっている。2025年7月に策定された政府の「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」 7 では、「DMARC等への更なる対応促進」のため関係省庁が連携して取り組むこととされている。総務省では、これを踏まえて、2025年9月に、関係業界団体に対して、DMARCの導入やDMARCポリシーの設定(隔離、拒否)について要請を実施した 8 。また、総務省においても、2025年7月には、soumu.go.jpドメインやそのサブドメインについて、サブドメインを含めて、DMARCポリシーを「隔離」に設定変更したほか、2025年11月からは、BIMI 9 にも対応するなど、なりすましメール対策を積極的に進めている。 3 2021年(令和3年)に策定した「ICTサイバーセキュリティ総合対策2021」では、「サイバー攻撃に対する電気通信事業者の積極的な対策の実現」として、「インターネット上でISPが管理する情報通信ネットワークにおいても高度かつ機動的な対処を実現するための方策の検討が必要」としている。 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02cyber01_04000001_00192.html 4 Resource Public-Key Infrastructureの略。自律ネットワークのIPアドレスやAS番号を電子証明書で検証し、通信経路の乗っ取り等を防止する技術。 5 DNS Security Extensionsの略。ドメインネームとIPアドレスの紐付けを電子証明書で検証し、サーバーのなりすまし等を防止する技術。 6 Domain-based Message Authentication Reporting and Conformanceの略。電子メールの送信元ドメインの正しさを検証し、なりすまし等の場合は自動的に処理する技術。 7 犯罪対策閣僚会議Webサイトに掲載 https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/hanzai/index.html 8 フィッシングメール対策の強化に関する要請 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000260.html 9 Brand Indicators for Message Identificationの略。DMARCで認証が成功したメールにロゴを表示させる技術。