4 サイバー攻撃対処能力の向上と新技術への対応 (1) サイバーセキュリティ人材の育成 サイバー攻撃が巧妙化・複雑化している一方で、我が国のサイバーセキュリティ人材は質的にも量的にも不足しており、その育成は喫緊の課題である。このため、総務省では、NICTの「ナショナルサイバートレーニングセンター」を通じ、サイバーセキュリティ人材育成(CYDER、SecHack365及びCYROP)に取り組んでいる。 ア 情報システム担当者等を対象とした実践的サイバー防御演習(CYDER) CYDER(CYber Defense Exercise with Recurrence)は、国の機関、地方公共団体、独立行政法人、重要インフラ事業者等の情報システム担当者等を対象とした実践的サイバー防御演習である。受講者は、組織のネットワーク環境を模した大規模仮想LAN環境下で、実機を操作し、インシデントの検知から対応、報告、回復まで、サイバー攻撃への一連の対処方法を体験する(図表U-2-5-2)ことが可能であり、2025年度は3,989人、2017年度からの合計では29,000人超が受講した。 また、2025年度は、従来実施している初級・中級・準上級の集合演習や、最低限のセキュリティ知識を学べる「プレCYDER」に加え、オンラインで集合演習と同等の受講効果を得られる「オンライン実践コース」を地方公共団体向けに試行的に実施した(図表U-2-5-3)。 図表U-2-5-2 実践的サイバー防御演習(CYDER:CYber Defense Exercise with Recurrence) 図表U-2-5-3 2025年度CYDER実施状況 イ 若手セキュリティ人材の育成プログラム(SecHack365) SecHack365は、日本国内に居住する25歳以下の若手ICT人材を対象として、最先端のセキュリティ人材(セキュリティイノベーター)を育成するプログラムである。NICTが有する実際のサイバー攻撃関連データを活用しつつ、第一線で活躍する研究者・技術者が、セキュリティ技術の研究・開発等を1年かけて継続的かつ本格的に指導する。2025年度は36名が修了し、2017年度からの合計で300名超が修了している。 ウ 分野別実践演習の開発・実施基盤(CYROP) CYROP(CYber Range Open Platform)は、分野に応じた実践的演習を容易に開発・実施可能とする演習基盤である。NICTが有する人材育成ノウハウを民間企業・教育機関等に横展開するため、後述するCYNEXの一環として、2023年度からサイバーセキュリティ演習の実施に必要となる演習環境・演習教材を提供している(図表U-2-5-4)。 図表U-2-5-4 分野別実践演習の開発・実施基盤(CYROP)