(2) 新たな技術・サービスを生み出すためのエコシステムの形成 我が国のサイバーセキュリティ対策は、海外のセキュリティ製品を導入・運用する形態が主流であり、情報についても海外由来のものに大きく依存している。海外のセキュリティ製品のベンダーは、世界中から集めた一次情報を基に新たな技術・サービスを生み出す一方、相対的にシェアの小さい国内のベンダーは、十分なセキュリティ情報を収集できておらず、製品の開発が進んでいないためである。 こうした海外製品への依存構造は、日本特有のサイバー攻撃への対応の遅れや国際競争力の低下といったサイバー安全保障や経済安全保障上の様々な問題につながることが懸念されている(図表U-2-5-5)。 図表U-2-5-5 国産セキュリティ技術の必要性 総務省では、これらの構造的な課題に対応するため、NICTと連携し、NICTが培ってきた技術・ノウハウを中核として、産官学連携を促進する取組であるCYNEX(サイネックス:CYbersecurity NEXus)を2021年度から実施している。CYNEXには、2025年度末時点で107組織が参画しており、2026年度も引き続き官公庁及び民間企業や教育機関等との連携を拡大しながら、サイバー脅威情報の収集・分析・共有や国産セキュリティ技術の開発を支援し、我が国におけるサイバーセキュリティ対応能力のより一層の強化を目指していく。 【関連データ】政府端末情報を活用したサイバーセキュリティ情報の収集・分析に係る実証事業(CYXROSS) URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/datashu.html#f00383(データ集) また、特に、サイバー脅威情報の収集・分析を強化する取組として、CYXROSS(サイクロス:CYNEX XROSS organ observatory project)を実施している。これは、政府機関等の端末にNICTが開発したセンサーを導入し、収集した情報の分析を実施するものであり、サイバーセキュリティ対策に必要な様々な技術・情報・ノウハウを得ることを目的としている。2023年度から実証事業として実施してきたところであり、2025年にサイバー対処能力強化法等が成立し、同年に改正サイバーセキュリティ基本法が施行されたことを受け、2025年12月から本格的に事業を開始した。 総務省では、CYXROSSによる脅威情報の収集・分析の強化を含め、国産技術を核とした産官学連携のエコシステムを強化し、我が国自らの力によるサイバー対応能力の確保に取り組んでいく。 【関連データ】国産技術を核としたサイバー対処能力向上エコシステム URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/datashu.html#f00384(データ集)