政策フォーカス 第5回日ASEANデジタル大臣会合 [1] 日ASEANデジタル大臣会合(第5回)の概要 2026年1月15日(木)、ベトナム・ハノイにおいて、「日ASEANデジタル大臣会合」(第5回)が開催された。同会合は、日本とASEAN諸国のICT担当大臣が一堂に会し、ICT分野における取組や協力について議論する唯一の閣僚級会合であり、日本からは林総務大臣が出席した。会合では、林総務大臣から「日ASEANデジタルワークプラン2026」及び「安全、安心で信頼できるAIの推進に関する日ASEANデジタル大臣共同声明」を提案し、多くの出席者の支持を得て、それぞれ承認、採択された。 [2] 日ASEANデジタル大臣会合の結果 (1) 「日ASEANデジタルワークプラン2026」の承認 本年のASEANデジタル大臣会合では、2026年から2030年までを期間とする、域内におけるデジタル化に関する計画である「ASEANデジタルマスタープラン2030(ADM 2030)」が採択された。日本から、日本企業の海外市場展開を考慮しつつ、ASEANによるADM 2030の目標達成への貢献を目的として、日ASEAN間の今後1年間のICT分野における協力・連携施策に関する「日ASEANデジタルワークプラン2026」を提案し、ASEAN側出席者からの支持を得て同ワークプランが承認された。 同ワークプランは、@AI及びデジタル政策、Aサイバーセキュリティ、Bデジタルインフラ及びデジタルトランスフォーメーション、C協力及び協調の4つの柱から構成されており、主な具体的内容は以下のとおり。 @AI及びデジタル政策 ・「安全、安心で信頼できるAIの推進に関する日ASEANデジタル大臣共同声明」を踏まえ、広島AIプロセス・フレンズグループ対面会合の開催、各国におけるLLM開発や人材育成に関する協力等を推進。 ・インターネットガバナンスに関する政策調和やDFFTに係る能力構築支援を推進。 Aサイバーセキュリティ ・日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)において、政府機関等を対象とした演習を継続。また、2027年2月以降の支援継続に向けた調整を実施。 ・日ASEANサイバーセキュリティ政策会議を通じて、政策共有、能力構築、演習等の協力活・動を議論・実施。 Bデジタルインフラ及びデジタルトランスフォーメーション ・現地通信キャリアと共働し、オープンRAN準拠の5G無線設備を活用する5Gネットワークの構築に関する実証を実施。 ・アジア・太平洋電気通信共同体(APT)に対する総務省の拠出金を活用したプログラムを通じて人材育成等を支援。 ・ICT Virtual Organization of ASEAN Institutes and NICT(ASEAN IVO)による連携研究プロジェクトを実施。 C協力及び協調 ・日ASEAN ICT基金等を通じた支援。 ・日ASEANデジタル関連会合への対話国としての積極的な参加やASEAN諸国との2国間政策対話を実施。 (2) 「安全、安心で信頼できるAIの推進に関する日ASEANデジタル大臣共同声明」の採択 日本から、2025年10月に開催された日ASEAN首脳会議において、日本が立ち上げた「日ASEAN・AI共創イニシアティブ」を更に深化させるとともに、日ASEAN共通のイニシアティブとして共創を進めていくことを目的として、日ASEANの間で初めてのデジタル分野における共同声明となる、「安全、安心で信頼できるAIの推進に関する日ASEANデジタル大臣共同声明」を提案し、ASEAN側出席者からの支持を得て同共同声明が採択された。 同共同声明は、安全、安心で信頼できるAIを推進するために、グローバルなAIエコシステムと各国のローカルなAIエコシステムの双方を重視し、これら二つのAIエコシステムを相互に連携させながら、構築・発展させていくことを中核に据えている(図表1)。 図表1 「安全、安心で信頼できるAIの推進に関する日ASEANデジタル大臣共同声明」の概要 図表2 日ASEANデジタル大臣会合の模様