第1 |
調査実施時期・対象機関 |
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1 調査実施時期
平成13年8月〜11月 |
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2 対象機関
九州農政局、九州地方整備局
(関連調査等対象機関)
福岡県、佐賀県、鹿児島県、市町村等
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第2 |
実施の経緯 |
○ |
我が国は四方を海に囲まれ入り組んだ複雑な海岸線を有しており、海岸線の延長は約3万5,000 キロメートル。海岸の背後地には多くの人口、産業、道路交通網等が集積し、高潮、津波又は浸食から海岸を防護することが必要。このため、海岸保全区域を指定し、海岸保全施設(堤防、護岸、突堤等)の整備・管理が必要
第6次海岸事業五箇年計画の総事業費は、1兆7,700億円
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○ |
総務省は、昭和62年8月「海岸の保全・利用に関する行政監察」結果に基づき、海岸保全区域の指定及び海岸保全施設の整備の適切な実施、海岸保全施設の管理の的確化等について、海岸法(昭和31年法律第101号)を所管する農林水産省(農村振興局及び水産庁)及び国土交通省(河川局及び港湾局)(以下「海岸所管省庁」という。なお、昭和62年当時の海岸所管省庁は農林水産省、運輸省及び建設省)に対し勧告
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○ |
この行政評価・監視は、海岸行政の効果的・効率的な実施を推進する観点から、海岸保全区域の管理状況、海岸事業の実施状況等を調査し、関係行政の改善に資するために実施
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第3 |
通知年月日及び通知先
1 | 通知年月日 |
平成14年12月2日 |
2 | 通知先 |
九州農政局、九州地方整備局、福岡県、佐賀県、鹿児島県、福岡市、玄海町 |
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第4 |
担当部局
九州管区行政評価局、佐賀行政評価事務所、鹿児島行政評価事務所
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第5 |
調査結果の概要 |
1 |
海岸保全区域の見直し等 |
(制度の概要) |
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・ |
都道府県知事は、海岸を防護するため海岸保全施設の設置、その他一定の行為を制限又は禁止する必要があると認めるときは、海岸法に基づき、防護すべき海岸に係る一定の区域を海岸保全区域として指定
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・ |
指定された海岸保全区域を適正に管理するため、海岸管理者(都道府県知事、市町村長等)は、海岸保全区域台帳(帳簿及び図面で構成)を調製・保管。海岸保全区域台帳は、海岸保全区域及び海岸保全施設等の現況を把握し得る唯一のものとして海岸保全区域の管理上不可欠
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《参考通知要旨》 |
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1) |
指定に伴い一定の行為制限が課せられることとなるが、指定後において海岸の状況変化に伴い区域の位置又は範囲を現行のままとしておく必要性が乏しくなったにもかかわらず指定の変更が行われていない例あり(1海岸保全区域・・・福岡県内)
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2) |
海岸保全区域台帳の調製が不十分な例あり(17海岸保全区域・・・福岡県内) |
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(注)佐賀県内及び鹿児島県内の例については、省略
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2 |
直轄工事区域に係る管理の的確化 |
(制度の概要) |
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・ |
海岸保全施設が国土の保全上特に重要なものと認められるときは、海岸所管省庁の主務大臣は、あらかじめ当該海岸管理者の意見を聞いた上で海岸管理者に代わり工事を施工(以下これを「直轄事業」という。また、直轄事業の実施区域を「直轄工事区域」という。)
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・ |
海岸保全区域内において、海岸保全施設以外の施設又は工作物を設けて当該海岸保全施設を占用しようとする者、土石の採取、土地の掘削、盛土、切土等の制限行為を行おうとする者は海岸管理者の許可が必要。直轄工事区域においては、主務大臣が、海岸管理者の海岸保全区域内の占用行為及び制限行為の許可を代行するとともに禁止行為に対する監督処分の権限行為を代行
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(調査結果) |
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1) |
直轄工事区域の護岸、陸こう等の浸水防護施設の中には、陸こうの閉塞板のレール上に石・砂等が堆積しており閉塞に支障が生じているもの、施設の操作管理者が特定されておらず緊急時に適切な対応が取れるか懸念されるものあり(1直轄工事区域5件・・・佐賀県内)
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2)
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直轄工事区域の巡視を的確に実施していないため、無許可で工作物が設置されている等不法占用などの例あり(1直轄工事区域12件・・・佐賀県内) |
3) |
放置された廃船の処分に関して、廃船が放置されたままとなっている例あり(1直轄工事区域3件・・・佐賀県内)
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《改善所見要旨》 |
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直轄工事区域に係る管理の的確化を図る観点から、 |
1) |
緊急時において浸水防護施設の機能を十全に発揮させるため、工事事務所等における施設の巡視及び点検・調査を的確に実施するとともに、浸水防護施設の操作管理者を特定すること。 |
2) |
不法占用を排除するため、工事事務所等における巡視を的確に実施すること。 |
3) |
不法に放置された廃船について、工事事務所は除去に努めること。 |
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