18派遣元事業主において、労働者派遣法及び派遣元指針により派遣元事業主が遵守すべき「労働者派遣契約の締結」、「個人情報適正管理規程の作成」等16事項の履行状況を調査した結果、以下のとおり、適正に履行されていない状況がみられた。〈18派遣元事業主全てにおいて、16事項延べ75件の不適切事例〉
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遵守すべき16事項全てを適正に履行している者はいない。不適正事項数が1事項と少ない者がいる一方で、16事項の3分の1(6事項)以上の事項を履行していない者もいる。この中には、「専ら特定派遣制限」など勧告、ひいては許可の取消し及び事業廃止命令等の対象となる事項を履行していない者もいる。
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不適正事項数:1事項が3事業主、2〜5事項が9事業主、6事項以上が6事業主 |
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派遣元事業主が履行すべき義務の周知徹底を図るための集団指導が必要 |
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不適正事項数の多かった派遣元事業主に重点をおいた指導監督が必要 |
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遵守すべき16事項の中には、履行していない者が1事業主と少ない事項がある一方で、18事業主の3分の1(6事業主)以上が履行していない事項もある。この中には、派遣元事業主が作成すべき派遣元管理台帳の内容不備など11事業主が履行していない事項がある。
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未履行事業主数:1事業主が2事項、2〜5事業主が8事項、6事業主以上が6事項 |
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多くの派遣元事業主が履行していない事項に重点をおいた指導監督が必要 |
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《主な不適切事例》 |
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派遣契約を締結せず、派遣先からの注文書等により労働者を派遣している事例
派遣元事業主は、派遣先との間で、派遣労働者が従事する業務、就業場所など必要最低限の就業条件を定めた労働者派遣契約を締結することとされているが、同契約を締結せず、関連グループ会社からの注文書等により労働者を派遣しているもの(3事業主) |
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派遣労働者に係る個人情報適正管理規程を作成していない事例
派遣元事業主は、派遣労働者の個人情報を取り扱うことができる範囲等を定めた個人情報適正管理規程を作成することとされているが、履行義務の認識不足などから、同規程を作成していないもの(5事業主) |
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雇用保険・社会保険に加入させないで労働者を派遣している事例
雇用・社会保険の加入要件を満たす派遣労働者について、派遣元事業主は、同保険に加入させてから派遣することとされているが、雇用保険、社会保険に加入させないで労働者を派遣しているもの(5事業主) |
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