1) | 特定行為の禁止(労働者派遣法26条第7項) |
派遣に先だって、労働者を特定する氏名、住所及び能力の判別に関係ない性別、年令を盛り込んだ履歴書を送付すること、派遣先が労働者の選定を目的とした面接を行うことなど派遣労働者を特定する行為を禁止している。
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※ | 受け入れ労働者の選定は自ら労働者を雇用する者でなければなし得ないことであり、雇用責任のない派遣先がそうしたことをしながら、いざというときに雇用主としての責任を免れて「派遣関係」にあることを主張することは、派遣労働者の権利保護を目的とする労働者派遣法の趣旨に反する。 |
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2) | 労働者派遣契約の適正な締結(労働者派遣法26条第1項) |
労働者派遣を行うに当たり、派遣元事業主及び派遣先は、労働者派遣契約を締結しなければならない。当該契約書には、派遣労働者の人数や労働条件のほかに派遣労働者の権利を保障するため、契約の中途解除に関する事項、派遣労働者から申出を受けた苦情処理に関する事項、労働・社会保険の被保険者資格に関する事項等についても定めることが義務付けられている。
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3) | 派遣元及び派遣先管理台帳の作成・整備(派遣元管理台帳:労働者派遣法37条、派遣先管理台帳:同法42条) |
i)派遣元管理台帳は派遣元事業主が派遣先において派遣就業する派遣労働者の適正な雇用管理を行うため、ii)派遣先管理台帳は派遣先が派遣労働者の就業実態を的確に把握するとともに当該台帳の記載内容を派遣元事業主に通知することにより、派遣元事業主の適正な雇用管理の実施に資するため、それぞれ派遣労働者ごとに作成し、法定事項を記載することが義務付けられている。
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4) | 個人情報の適正管理(労働者派遣法第24条の3、派遣元指針) |
派遣元事業主は、派遣労働者となろうとする者を登録する際にスキル評価のためなどで収集した労働者の個人情報を適正に管理するため個人情報適正管理規程を作成し、これを遵守することが義務付けられている。
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5) | 労働・社会保険の加入(労働者派遣法35条、派遣元指針) |
労働・社会保険に加入する責任は、雇用主である派遣元事業主にある。
派遣元事業主は、派遣を行うに際し、当該派遣労働者に係る労働・社会保険の被資格者の有無を通知しなければならず、当該労働者が社会保険加入の用件を満たすものである以上、当該保険に加入させてから派遣することが義務付けられている。
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6) | 無許可・無届事業主からの派遣労働者受入禁止(労働者派遣法24条の2) |
派遣先は、許可又は届出を行った派遣元事業主以外から労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。
当該違法行為は派遣先に対する勧告対象となる。
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7) | 申告、相談及び助言(労働者派遣法第49条の3第1項、同法第52条) |
派遣労働者は、派遣先又は派遣元が違法行為を行っているときはその事実を厚生労働大臣に申告することができる。
また、公共職業安定所は、派遣就業に関する事項について、労働者等の相談に応じ、必要な助言や援助を行うことができる。
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