人材派遣に関する行政評価・監視参考資料


1  派遣元事業主の動向
 表1 徳島労働局管内における派遣元事業主数の推移(単位:事業主、%)
年度
区分
昭和61 平成元 10 11 12 13
一般労働者派遣事業
(許可)

(100)

(100)
10
(250)
18
(450)
21
(525)
24
(600)
26
(650)
  職安別 徳島 10 17 20 22 23
阿南
鳴門
特定労働者派遣事業
(届出)
16
(100)
20
(125)
18
(113)
28
(175)
29
(181)
30
(188)
31
(194)
  職安別 徳島 13 15 12 21 20 22 22
脇町
阿南
鴨島
鳴門
20
(100)
24
(120)
28
(140)
46
(230)
50
(250)
54
(270)
57
(285)
(注)  徳島労働局の資料による。
 各年度の数値は3月31日現在のもの。
 平成13年度の数値は平成13年8月1日現在のもの。
 (  )は昭和61年度の事業主数を100とした場合の指数。

2  派遣先の動向
 表2 徳島労働局管内における派遣先の推移(単位:事業所)
年度
区分
平成8 10 11 12
一般派遣元事業主から受け入れた派遣先 367 899 832 881 946
特定派遣元事業主から受け入れた派遣先 104 91 96 130 62
471 990 928 1,011 1,008
(注)  徳島労働局の資料による。
 各年度の数値は年間の派遣先(事業所)の実数。

3  派遣労働者の動向
 表3 徳島労働局管内における派遣労働者等数の推移(単位:人)
年度
区分
平成8 10 11 12
派遣労働者 一般労働者派遣事業 741 743 760 720 1,077
特定労働者派遣事業 379 146 159 274 207
1,120 889 919 994 1,284
登録労働者 一般労働者派遣事業 1,631 1,832 1,739 2,029 1,713
(注)   徳島労働局の資料による。
  各年度の数値は、3月31日現在の1日当たりの平均労働者数。
  なお、「1日当たりの平均数」とは、1日当たりの派遣労働者の労働時間数の合計を当該事業主における通常の労働者(派遣労働者の雇用管理等の業務に従事する者等)の1人1日当たりの労働時間数で除した数である。


  人材派遣の概要
(1) 労働者派遣の概念
       労働者派遣とは、派遣元が自ら雇用する労働者を派遣先(第三者)の指揮命令下において労働に従事させることをいう。
【参考:派遣事業と請負及び業務委託との大きな違い】
   派遣事業では労働者に対する指揮命令権が第三者(派遣先)にあるのに対し、請負及び業務委託の指揮命令権は当該労働者を自ら雇用する請負業者又は受託業者にある。

(2) 派遣先(ユーザー企業)からみた労働者派遣のメリット
       派遣先は、雇用主としての雇用責任、社会保険・雇用保険の加入など労働法上の責任を免れて経費を節減することができること。

(3) 労働者派遣事業とは
       一般労働者派遣事業とは、厚生労働大臣の許可を受け、常時雇用以外の派遣のつど雇用されて働く登録型労働者を含む労働者を派遣することにより業を行うもの。
   特定労働者派遣事業とは、厚生労働大臣への届出を行い、自ら常時雇用する労働者を派遣することにより業を行うもの。

(4) 改正法の趣旨、主な改定内容
       従来、労働者派遣は原則禁止・例外適用であり、26業務が適用業務として認められていた。その後、政府の規制緩和方針のもと、労働分野において派遣事業や有料職業紹介事業の自由化の流れを受けて、平成11年12月に改正法が施行された。
   主な改正内容は 1)対象業務の原則自由化、2)新自由化業務についての「1年ルール」、紹介予定派遣の導入、3)許可基準等の見直し(専ら特定派遣の禁止などを追加)、4)労働者保護措置の強化(個人情報の保護、派遣労働者の特定行為の禁止、社会保険等の被保険者資格取得の有無に係る派遣先への通知etc)の4点が挙げられる。

(5) 労働者の権利を保障する仕組み(事業者に対する規制、遵守義務等)
       労働者派遣法においては、派遣元に対し派遣就業を適正に行わせるよう必要な措置を講ずることを義務づけ、派遣先に対しては労働者派遣契約の遵守及び派遣元との連携のもとに適切・迅速な苦情処理を図ることなどの措置を講じなければならないとされており、これらの適切かつ有効な実施を図るため、派遣元指針と派遣先指針を定めている。
1)  特定行為の禁止(労働者派遣法26条第7項)
  派遣に先だって、労働者を特定する氏名、住所及び能力の判別に関係ない性別、年令を盛り込んだ履歴書を送付すること、派遣先が労働者の選定を目的とした面接を行うことなど派遣労働者を特定する行為を禁止している。
  ※   受け入れ労働者の選定は自ら労働者を雇用する者でなければなし得ないことであり、雇用責任のない派遣先がそうしたことをしながら、いざというときに雇用主としての責任を免れて「派遣関係」にあることを主張することは、派遣労働者の権利保護を目的とする労働者派遣法の趣旨に反する。

2)  労働者派遣契約の適正な締結(労働者派遣法26条第1項)
  労働者派遣を行うに当たり、派遣元事業主及び派遣先は、労働者派遣契約を締結しなければならない。当該契約書には、派遣労働者の人数労働条件のほかに派遣労働者の権利を保障するため、契約の中途解除に関する事項派遣労働者から申出を受けた苦情処理に関する事項労働・社会保険の被保険者資格に関する事項等についても定めることが義務付けられている。

3)  派遣元及び派遣先管理台帳の作成・整備(派遣元管理台帳:労働者派遣法37条、派遣先管理台帳:同法42条)
  i)派遣元管理台帳は派遣元事業主が派遣先において派遣就業する派遣労働者の適正な雇用管理を行うため、ii)派遣先管理台帳は派遣先が派遣労働者の就業実態を的確に把握するとともに当該台帳の記載内容を派遣元事業主に通知することにより、派遣元事業主の適正な雇用管理の実施に資するため、それぞれ派遣労働者ごとに作成し、法定事項を記載することが義務付けられている。

4)  個人情報の適正管理(労働者派遣法第24条の3、派遣元指針)
  派遣元事業主は、派遣労働者となろうとする者を登録する際にスキル評価のためなどで収集した労働者の個人情報を適正に管理するため個人情報適正管理規程を作成し、これを遵守することが義務付けられている。

5)  労働・社会保険の加入(労働者派遣法35条、派遣元指針)
  労働・社会保険に加入する責任は、雇用主である派遣元事業主にある。
派遣元事業主は、派遣を行うに際し、当該派遣労働者に係る労働・社会保険の被資格者の有無を通知しなければならず、当該労働者が社会保険加入の用件を満たすものである以上、当該保険に加入させてから派遣することが義務付けられている。

6)  無許可・無届事業主からの派遣労働者受入禁止(労働者派遣法24条の2)
  派遣先は、許可又は届出を行った派遣元事業主以外から労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。
  当該違法行為は派遣先に対する勧告対象となる。

7)  申告、相談及び助言(労働者派遣法第49条の3第1項、同法第52条)
  派遣労働者は、派遣先又は派遣元が違法行為を行っているときはその事実を厚生労働大臣に申告することができる。
  また、公共職業安定所は、派遣就業に関する事項について、労働者等の相談に応じ、必要な助言や援助を行うことができる。

(出典:「改正労働者派遣法の実務解説 労働法令研究会編」等)