公表資料


乗継便の特急料金に係る行政相談のあっせん




平成14年8月9日
四国行政評価支局



  ○    四国行政評価支局(本間勝己支局長)は、平成14年8月9日、四国旅客鉄道株式会社に対して、岡山駅〜中村駅等同一区間に直通便と乗継便の両方の特急便がある区間において、乗継便の方が割高になっていることについて、乗客が十分納得して乗車する特急列車を選択できるよう、料金体系の周知をきめ細かく行うことなどをあっせんした。(別添参照)

  ○    これは、「岡山駅から高知県の中村駅まで特急列車を利用する際、直通便と乗継便の両方があるが、直通便よりも乗換えを必要とする乗継便の方が割高になっていることに納得できない。」との行政相談を受けたもの。
   申出のとおりJR四国内では、岡山駅〜中村駅間(高知駅で乗り継ぎ)及び岡山駅〜宇和島駅間(松山駅で乗り継ぎ)等において、直通便と乗継便の両方の特急列車があり、いずれも乗継便の方が割高となっていることから、四国地域行政苦情救済推進会議(座長:土田哲也高松大学経営学部教授)に諮り、検討した結果、直通便と乗継便との同一料金が実現するまでの間、乗継便の方が割高になることについて、乗客が十分納得して乗車する列車を選択できるよう、料金体系の周知をきめ細かく行うべきであるなどの意見を得たことによる。

  ○    あっせん先
四国旅客鉄道株式会社


〈本件照会先〉
四国行政評価支局
首席行政相談官室
電話:087−831−9204





(説明資料)
1 申出要旨

   JRで、岡山駅から高知県中村駅まで、直通の「南風号」を利用すると、特急料金は2,010円であったが、高知駅止まりの「南風号」で高知駅まで行き、「あしずり号」に乗り換えて中村駅まで行くと、特急料金は、「南風号」で1,300円、「あしずり号」で2,260円の合計3,560円を徴収された。
   同じ区間でありながら直通便よりも不便な乗継便の特急料金の方がなぜ高いのか、納得できない。


直行便・乗継便料金比較

2 四国地域行政苦情救済推進会議への付議結果

 (1)    岡山駅〜中村駅間等同一区間に直通便と乗継便の両方の特急便がある区間において、乗継便の方が割高となっていることに納得できないとする苦情の申出は、理解できるところである。
   四国旅客鉄道株式会社は、特急列車ごとに特急券が必要と規定したJR各社共通の運送約款を適用しているが、自社管内限りの区間(高松駅〜宇和島駅等4区間)については、その特例として乗継便を1個の特急列車とみなして特急料金を設定している。
   しかし、申出の区間等3区間については、JR他社の営業区間とまたがるため、関係他社との間で、これらの区間について、通しの特急料金の適用を協議したものの、JR他社の同様区間への波及や減収を伴うこともあって、合意には至っていない。この件についての早急な改善は困難とみられるが、苦情の解消に向けてJR各社との協議を継続することが望ましい。
 (2)    直通便と乗継便との同一特急料金が実現するまでの間、乗継便の方が割高になることについて、乗客が十分納得して乗車する特急列車を選択できるよう、制度の周知をきめ細かく行う必要がある。
 (3)    また、申出のような苦情が発生する一因として、関係社員の乗客に対する説明不足等乗客対応の不手際も考えられるので、苦情や問い合わせに適切に対処するため、関係社員に対し、料金等に関する研修を行う必要がある。







〈参考資料〉


 直通便の特急列車と乗継便の特急列車の両方が走行している区間(JR四国内)

  直通便 乗継便 備考
岡山駅〜中村駅間 上り    2本    0本 ――――
下り   2本   2本 乗継駅はすべて高知駅
岡山駅〜宿毛駅間 上り   5本   0本 ――――
下り   1本   2本 乗継駅はすべて高知駅
岡山駅〜宇和島駅間 上り   2本  10本 乗継駅はすべて松山駅
下り   2本  11本 同上


 申出に係る特急料金調べ[新幹線との乗継割引が適用される普通車指定席特急券(通常期・大人)]

(単位:km、円)
始発駅 到着駅 距離 特急料金 差額
直通便 乗継便
岡山駅 須崎駅 221.4 1,410 2,540 1,130
窪川駅 251.4 1,410 2,960 1,550
中村駅 294.4 2,010 3,560 1,550
宿毛駅 318.0 2,210 3,760 1,550
岡山駅 伊予市駅 226.0 1,410 2,430 1,020
伊予大洲駅 263.2 1,410 2,650 1,240
八幡浜駅 276.5 1,410 3,070 1,660
宇和島駅 311.3 1,510 3,070 1,560







(別添資料)


四国相第 51 号
平成14年8月9日

四国旅客鉄道株式会社
代表取締役社長
  様
四国行政評価支局長


乗継便の特急料金に係る行政相談について(あっせん)


   当局の行政相談業務につきましては、日頃から格別のご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
   当局では、国民の行政に対する苦情、意見・要望を受け付け、関係機関にあっせんを行っておりますが、救済が困難視される苦情事案等の処理につきましては、公正性・中立性を期する観点から、民間の有識者等をメンバーとする「四国地域行政苦情救済推進会議」に諮り、その意見を踏まえて所要のあっせんを行うこととしております。
   平成14年6月11日に開催した同推進会議において、下記1の事案を付議した結果、下記2のとおりの結論を得ましたので、下記3の事項についてご検討下さいますようお願いいたします。
   なお、検討の結果につきまして、平成14年8月末日までに、ご回答下さいますよう併せてお願い申し上げます。


   申出要旨
   JRで、岡山駅から高知県中村駅まで、直通の「南風号」を利用すると、特急料金は2,010円であったが、高知駅止まりの「南風号」で高知駅まで行き、「あしずり号」に乗り換えて中村駅まで行くと、特急料金は、南風号で、1,300円、あしずり号で、2,260円の合計3,560円を徴収された。
   同じ区間でありながら直通便よりも不便な乗継便の特急料金の方がなぜ高いのか、納得できない。

   四国地域行政苦情救済推進会議への付議結果
(1)    岡山駅・中村駅間等同一区間に直通便と乗継便の両方の特急便がある区間において、乗継便の方が割高となっていることに納得できないとする苦情の申出は、理解できるところである。
   四国旅客鉄道株式会社は、特急列車ごとに特急券が必要と規定したJR各社共通の運送約款を適用しているが、自社管内限りの区間(高松〜宇和島等4区間)については、その特例として乗継便を1個の特急列車とみなして特急料金を設定している。
   しかし、申出の区間等3区間については、JR他社の営業区間とまたがるため、関係他社との間で、これらの区間について、通しの特急料金の適用を協議したものの、JR他社の同様区間への波及や減収を伴うこともあって、合意には至っていない。
   この件についての早急な改善は困難とみられるが、苦情の解消に向けてJR各社との協議を継続することが望ましい。

(2)    直通便と乗継便との同一特急料金が実現するまでの間、乗継便の方が割高になることについて、乗客が十分納得して乗車する特急列車を選択できるよう、制度の周知をきめ細かく行う必要がある。

(3)    また、申出のような苦情が発生する一因として、関係社員の乗客に対する説明不足等乗客対応の不手際も考えられるので、苦情や問い合わせに適切に対処するため、関係社員に対し、料金等に関する研修を行う必要がある。

   検討依頼事項
   直通便と乗継便との両方の特急便がある区間で、乗継便の方が割高になる区間については、乗客が十分納得して乗車する列車を選択できるよう、制度の周知をきめ細かく行うこと。
   また、料金等に関する苦情や問い合わせに適切に対処できるよう、関係社員に対し、研修を行うこと。