平成14年12月16日


国立大学等における高額機器の利活用等に関する行政評価・監視結果




調査実施の背景

   国立大学等における教育・研究用機器については、国家財政の厳しい現状からみて、効率的な調達、適正な管理及び十分な利活用が必要。また、機器の調達契約に当たっては、客観性、透明性及び競争性の確保が重要。

調査対象機関と対象機器

   香川大学(工学部、農学部)香川医科大学高松工業高等専門学校における取得価格50万円以上の機器。

調査実施時期

   平成14年8月〜11月


      平成14年12月12日   3大学等に対し、改善所見を通知。






       調査結果及び改善所見(ポイント)

   抽出調査した教育・研究用機器269個のうち、利活用が低調なものが104個(39パーセント)ある。
矢印

1)    各研究室に配備されている機器のうち、共同利用可能なものを把握・整理し、その情報を学内に周知する体制を確立すること。
2)    利用見込みのない機器については、学内及び他の国立大学等の利用希望者に管理換すること。
3)    新しい機器の購入に当たっては、利用見込み、既存機器の配備状況を踏まえ、その必要性を十分検討すること。



 (一般競争契約)
   調達機器の銘柄の指定あるいは例示を行っている場合が少なくなく、抽出調査した141件のうち入札に2以上の事業者が参加しているケースは44件(31パーセント)であり、事業者間の競争が不十分。また、入札公告期日(10日前まで)の遵守も不十分。

 (随意契約)
   見積書を1事業者しか徴していない大学等、機器の一括購入が可能であったにもかかわらず個別に購入している大学等がある。
矢印

 (一般競争契約)
1)    機器の銘柄の指定や例示はやむを得ない場合にとどめ、例示する場合は、できるだけ多数の銘柄を例示すること。
2)    公告を入札期日の前日から起算して10日前までに行うことを徹底すること。

 (随意契約)
1)    2事業者以上による見積りを徹底すること。
2)    同一時期に同種の機器を購入する場合は、一括購入に努めること。







行政評価・監視結果(概要)


1 教育・研究用機器の管理の適正化及び利活用の推進

  ○    香川大学工学部、同農学部、香川医科大学及び高松工業高等専門学校(以下、「調査対象大学等」という。)では、取得価格が50万円以上の物品を毎年度367個〜482個(取得価格7億9,400万円〜16億5,400万円)調達。

  ○    調査対象大学等には、平成13年度末現在、教育・研究用機器を中心として全部で6,239個(取得価格187億3,400万円)が配備。


【調査結果及び改善所見】

  ○    調査対象大学等の教育・研究用機器269個を抽出し、その管理及び利活用状況を調査した結果、104個(39パーセント)について以下のとおり利用が低調な状況がみられた。

   (1) 各研究室の機器の配備状況が周知されていないことによるもの(42個)
調査結果    他の研究室でも利用可能な汎用性のある機器であるが、利用者が機器を配備している研究室内の研究員、学生等に限られている。
   (事例)
      A研究室は、平成9年12月、脂質の分離を行うため、液体クロマトグラフ(約251万円)を購入している。同機器は他研究室の研究者も利用可能であるがその旨の周知がされていないため、実際の利用は同研究室の研究者、学生等に限られており、平成13年度の利用実績は20日程度にすぎない(香川医科大学)。   
改善所見    機器の利用促進のため、各研究室の配備機器のうち共同利用可能なものの名称、性能等を把握・整理し、その情報を学内に周知する体制を確立すること。


   (2) 管理換等の有効利用方策が講じられていないことによるもの(52個)
調査結果
i 1 )同一研究室内に後継機器等を購入
ii2 )購入目的とした研究が終了
iii3 )老朽化・故障等
等から利用がない又は低調。
   (事例)
      B学科は、平成4年3月、材料の光電気特性の測定を行うために材料の温度を制御する液体窒素クライオスタット(約218万円)を購入しているが、同機器を利用していた教官が転勤して以降、現在まで約6年間利用されていない(高松工業高等専門学校)。   
改善所見    機器の利活用状況を定期的に把握し、利用見込みのない機器については、学内又は他の国立大学等の利用希望者へ管理換を行う等の措置を講じるなどにより、その有効利活用を図ること。


   (3) 機器購入に際し、利用見込み等が十分検討されていないことによるもの(10個)
調査結果
i 1 )関連機器の整備の遅れ
ii2 )当初の利用見込みの把握が不十分
iii3 )新しい機器を購入しなくても他の研究室の既存機器を利用できる余地あり。
等、購入の必要性の検討が不十分。
   (事例)
      C研究室は、平成11年11月、潤滑剤、混合物等の有効成分の抽出、測定のため学生卒論作成用としてガスクロマトグラフ(約295万円)を購入しているが、該当する研究を行う学生がいなかったとして現在まで利用されていない。
   一方、D研究室は、平成13年1月、水中メタン濃度測定のため、ガスクロマトグラフ(約436万円)を購入しているが、平成13年度の利用実績は48日程度と低調である。
   両機器の測定対象成分は異なるが、ガスクロマトグラフは、カラム(測定部分の部品)を交換すれば汎用性があることからみて、D研究室のガスクロマトグラフを購入する際にC研究室のガスクロマトグラフを活用することを検討する余地があった(香川大学)。
  
改善所見    機器購入請求に対しては、機器購入の利用見込み、共同利用可能な既存機器の配備状況等を把握し、その必要性を十分検討した上で購入すること。



2 教育・研究用機器の契約事務の適正化

【調査結果及び改善所見】

  ○    調査対象3大学等における平成12年度及び13年度の教育・研究用機器の調達について、一般競争契約141件、随意契約107件を抽出し、その契約事務処理状況を調査した結果、以下のとおり、事業者間の競争が十分行われていない状況がみられた。

(1)一般競争契約
  括弧    一般競争契約は、より多くの事業者が参加することが望ましく、入札に際して仕様書等で調達機器の銘柄を指定あるいは例示することは、これらの機器以外の機器の取扱業者の参加を排除あるいは制限することとなる。
   また、入札の公告は、急を要する場合を除き、入札期日の前日から起算して少なくとも10日前に掲示等の方法により公告しなければならないことになっている。
括弧

 
調査結果
   調査対象大学等では、仕様書等で調達機器の銘柄の指定あるいは例示を行っている場合が少なくなく、平成12年度及び13年度において締結された一般競争契約141件のうち、入札に2以上の事業者が参加したケースは、44件(31パーセント)と少ない。
(事例)

  ○    平成13年度に契約した32件のうち27件が教官等の要求による指定銘柄の機器となっている。このため、2以上の事業者が入札に参加したケースは、27件のうち2件に過ぎない(香川医科大学)。
  ○    平成13年度に機器の契約をした19件のうち、仕様書に「例示品又は例示品と同等品以上」と記載しているものが15件ある(香川大学)。
   調査対象大学等における平成12年度及び13年度の入札の公告状況をみると、合理的な理由もなく、入札期日の10日前までに公告していないものが133件中31件(23パーセント)あり、中には、6日前に公告したものが2件ある。
改善所見
   機器を調達する際、銘柄の指定は真にやむを得ない場合にとどめること。
   また、機器の銘柄の例示も避けることが望ましいが、例示する場合は、できるだけ多数の銘柄を例示すること。
   入札参加を希望する事業者に対する周知を十分なものとするため、公告を入札期日の前日から起算して10日前までに行うことを徹底すること。


(2)随意契約
    括弧    物品の調達を随意契約によろうとするときは、なるべく2事業者以上の者から見積書を徴さなければならないとされている。
   また、文部科学省は、国立大学等に対し「同一時期に同種の物品を購入するにあたっては、全学的な観点からの調整に努め、可能な限り一括購入し、経費の節減・合理化に努める」よう指導している。
括弧

 
調査結果
   平成12年度及び13年度の場合、2事業者以上から見積書を徴取したものが22件中2件(9パーセント)に過ぎない(香川医科大学)。
   合理的な理由もなく、また、特に学内での調整を行うことなく教官の請求の都度対処しているため、機器の一括購入が可能であったにもかかわらず、それぞれ個別に購入しているものが21件ある(香川大学、香川医科大学)。
改善所見
   随意契約により機器を調達する場合は、なるべく2事業者以上の見積りによることを徹底すること。
   同一時期に同種の機器を購入する場合においては、全学的な観点からの調整により、可能な限り一括購入に努めること。