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不知火海沿岸における水俣病に係る損害賠償調停申請事件

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(1) 事件の概要

 本事件は、熊本県から鹿児島県にまたがる不知火海の沿岸の漁民等が、チッソ株式会社水俣工場からの排水に起因した水俣病に罹患し、これによって精神上及び財産上の損害を被ったとして、チッソ株式会社を相手方(被申請人)として、賠償金の支払等を内容とする調停を求めたものである。
 現在の調停手続では、水俣病患者の症状等に応じ、患者グループとチッソ株式会社との間の補償協定に定められたA、B、Cの3ランクのいずれに該当するかの判定を公害等調整委員会に求めることとした患者について、ランク付けを行い、各ランクに応じて個々人の補償額等の決定、家族の補償等を中心とした調停を行っている(ランク別の補償額等調停の内容については、表1別ウィンドウで開きます参照)。(注)
 申請は、昭和46年12月24日以降令和元年度末までに620件(患者数1,556人)となっている(表2別ウィンドウで開きます)。
 これらの申請は、公害健康被害の補償等に関する法律(昭和48年法律第111号。なお、同法の施行(昭和49年9月1日)前は(旧)公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法(昭和44年法律第90号))及び水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法(昭和53年法律第104号)により水俣病と認定された患者又はその遺族からのものである(表3別ウィンドウで開きます)。
 
(注)水俣病患者の補償問題については、昭和48年3月20日、熊本地方裁判所において、原告勝訴判決があり、チッソ株式会社の不法行為責任が認められ、症度等に応じた慰謝料の支払が命じられた。
 また、昭和48年4月27日、公害等調整委員会に係属中であった調停申請について、30人の患者とチッソ株式会社との間の調停が成立した。調停内容は、慰謝料については熊本水俣判決と同様の金額としたほか、特別調整手当(年金)の支給等を定めている。
 さらに、昭和48年7月9日、訴訟や調停によらず、同社と直接交渉を行って補償問題の解決を図ろうとした患者グループが、同社との間に補償協定を締結した。協定は、上記判決及び調停の内容を踏まえ、患者へのA、B、Cの3ランクに応じた補償に加え、患者の医療及び生活保障のための基金設定を骨子としている。同日、他の患者グループもそれぞれ同じ内容の協定を締結した。その後、更に幾つかの患者グループが同様に協定を締結している。
 協定は、それぞれのグループに属する患者について適用されるものであるが、協定締結以降に認定された患者についても、その希望に応じて適用されることになっている。

(2) 事件の処理経過

 昭和48年度の第1次調停以来、令和元年度末までに55次にわたる調停を実施し、609件(患者数1,466人)について調停が成立した(表2別ウィンドウで開きます)。

(3) 慰謝料額等変更申請

 水俣病事件の調停の成立した患者のうち、Bランク及びCランクの生存者の場合には、調停条項の中に、「将来申請人の症状に第1項の(1)及び(4)の金額の増額を相当とするような変化が生じたときは、申請人は、これを理由として、調停委員会に対し、当該金額の変更を申請することができる。」という条項がある(「(4)調停調書の例」参照)。
 第1次調停以降の調停成立者のうちから、この調停条項に基づいてなされた慰謝料額等変更申請を、令和元年度末までに568件処理した(表4別ウィンドウで開きます)。令和元年度は新たに受け付けた申請4件が係属し、4件全て処理された(表5別ウィンドウで開きます)。

(4) 調停調書の例

 Bランク生存者の場合の調停調書の例は、次のとおりである。
 なお、Aランク生存者の場合の例は、慰謝料等の金額が異なること、第3項、第4項及び第6項(将来の申請人の症状の変化に関する取扱い)相当の定めがないことのほかは、このBランクの例と同様である。また、Cランク生存者の場合の例は、慰謝料等の金額が異なること、第5項(家族の慰謝料支払)相当の定めがないこと等のほかは、このBランクの例と同様である(表1別ウィンドウで開きます)。
 

Bランク調停調書の例

Bランク調停調書の例

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