資料名 資料6 原田構成員(日本障害者リハビリテーション協会)提出資料 <1> 利用者の立場から 障害者放送協議会(*) 意見より 日本障害者リハビリテーション協会 原田潔 第1回 視聴覚障害者等向け放送に関する研究会 (*) 全国18の障害者関係団体で構成 <2> 指針全般に関する提言1 内外の最新動向への対応について 【提言1】 指針前文には、現在の「障害者権利条約」「障害者基本法」「障害者解消法」に加えて、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」についても言及すべき。 障害者権利条約の初回審査(8月22〜23日)における総括所見(勧告) @「肯定的な側面」として「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が明記された。 Aテレビ番組を含む情報アクセシビリティの強化が勧告された。 <3> 指針全般に関する提言2 災害時の対応について 【提言2】字幕放送における「大規模災害が発生した場合は……できるだけ速やかに対応」という文言を、解説放送、手話放送についても同様に記載すべき。 課題の例…… @ニュース速報のテロップなど、文字のみで表示される情報の読み上げ  ・解説放送の実施、または、  ・アナウンサーやキャスターによる読み上げについて、一歩踏み込んだ対応が取れないか A手話放送の確保  ・ニュースへの付与  ・閣僚等の記者会見等における手話通訳を放送に乗せること(手話放送時間としてカウントしてはどうか?)  ・目で聴くテレビの活用(番組の活用、アイドラゴン4の設置等) <4> 指針全般に関する提言3 地域格差の解消 【提言3】 段階的な目標値を設定できないか。 (例:県域局の字幕放送80%達成に向けて年度ごとの目標値を定めることなど) →地元の情報にアクセスできない(災害時の情報を含む)  情報アクセスの地域格差は権利条約「総括所見」でも言及されている。 <5> 指針全般に関する提言4 手話放送の強化 【提言4】 手話放送の目標値を、総放送時間に対するパーセンテージで設定できないか。 ※特に、緊急災害時における重点的な実施を ※手話のオン・オフ機能(クローズド・サイニング H.702等にあり)実現に向けた取り組みを (イギリス、韓国、スイスの手話放送の画像) <6> 各目標に関すること 字幕放送に関する課題 1.地域格差の是正に向けて一歩踏み込んだ対応を(段階的な目標設定を含む) 2.対象となる放送時間の拡大や、時間帯別の目標値の設定ができないか。 3.「字幕付与可能な放送番組」から何を除くかについて、国会中継、政見放送を含む重要な番組への字幕付与が進むよう、十分な検討を <7> 各目標に関すること 解説放送に関する課題 1.令和3年度実績では目標達成している局あり。後半5年の目標は? 2.ニュース速報の内容やテロップなど、文字のみで表示される情報の読み上げについて、目標の設定も含めた対応を ※特に災害時に重点的な対応を 3.パンデミックを含む災害時における解説放送付与体制の維持について <8> 研究すべき課題1 (1)幅広い視聴者に分かりやすい字幕、解説、手話放送について ・字幕の話者名表示、文字サイズ、色、コントラスト、表示位置や速度等 ・解説の音質、速度等 ・ニュース速報やテロップの読み上げについて ・手話の表示位置、大きさ、通訳者の服装や背景等 (2)インターネットによる情報のアクセシビリティについて ・インターネット動画コンテンツ(テレビ番組再配信を含む)のアクセシビリティの向上 ・インターネットとの連携(放送通信融合技術)による放送番組のアクセシビリティの向上 <9> 研究すべき課題2 (3)アクセシビリティのための技術開発について ・字幕や解説原稿の点字ディスプレイへの表示、テキストデータの活用について (4)普及目標に含まれない放送番組等のアクセシビリティについて ・政見放送、国会中継 ・CM <10> 今後の指針実施に向けての論点1 幅広い視聴者の想定 「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」 対象は「視聴覚障害者」に限定されない。 例えば…… ・盲ろう者:   単なる重複障害者ではなく、「盲ろう」という独自の障害をもつ   字幕、解説、手話の活用(より見やすい、聞きやすいものが必要)   触角の活用(点字による出力) ・知的障害者、発達障害者:   分かりやすい内容。絵の活用。見やすさ、聞きやすさ。     →障害のない人にとっても役立つ(外国人、子ども……)   「警報音」についての配慮(驚いたりパニックを起こす人あり) <11> 今後の指針実施に向けての論点2 障害者の参加を (各種技術や規格等の開発における) ・放送事業者、メーカー、障害者の協働の取り組み ・放送通信政策の審議会・検討会や、規格策定、放送番組企画における障害者の参加 <12> 最後に 放送への期待 放送ならではの信頼性(アクセシビリティを含む)は、 インターネット動画等よりはるかに高い。