資料名 資料2 原田構成員(日本障害者リハビリテーション協会)提出資料 利用者からの意見 第1回の資料を補足・補強するものとして、下記の意見を提出します。 原田潔(日本障害者リハビリテーション協会) 全国手をつなぐ育成会連合会より 1.知的障害や発達障害のある人に関する意見 災害時における絵、コンテなどを使っての報道。 言葉や文書に弱い障害者もありますので、絵を見れば状況を把握しやすく、避難に対しても迅速に避難できる確率が増えると思います。 また、学齢期前までの子どもたちにとってもわかりやすく理解しやすくなると思います。 常に保護者や支援者が周りにいるとは限りませんので、できればそういうものを使っていただきたいと思います。 漢字にルビをつけていただくのは、現在も一部行われていますが、難しい言葉についても、わかりやすい言葉に変えるとか、 (括弧)で解説するなどの配慮があるとなおありがたく思います。 音(ビープ音・警告音など)についても、自閉のある方等にとっては、とても不安に感じる場合もあることを理解しておいてください。 2.手話放送に関する意見 手話放送については、命を守るために必要な災害時の情報保障も含め、一層の充実をお願いします。 特に県域局等については、ノウハウのある各地の聴覚障害者情報提供施設との連携を検討してください。 また「目で聴くテレビ」の活用も継続してください。 手話放送の充実に向けては、実績を公表することと併せて、放送時間の増加や減少の背景、 またはその放送局の取り組み等を調査・把握し、情報を共有していただくようお願いします。 テレビジョン放送における手話通訳の育成についても、一層の充実をお願いします。 3.災害時の対応に関すること。 災害時の放送は、生命や財産を守る情報源であり、幅広い地域防災関係者と連携して実施することが大切です。 地方防災会議を含む防災関係者との連携を一層深め取り組みを行ってください。 公益財団法人 日本知的障害者福祉協会より 放送の充実に関しての議論いただきたいこと 日頃より、知的障害福祉の増進にご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。 情報の理解や意思疎通に難しさを抱える知的障害児者にあっては、一般的な文書表現や表記は理解しやすいものではありません。 緊急性や公共性の高い情報が、誰にでも分かりやすい内容と視覚的に工夫された表示で提供されるようお願いいたします。 また、知的障害者への災害情報をいかにわかりやすく伝達できるかに関する調査研究(注)においては、 「災害に関する放送」(何が起こっているかについての情報の提供と、それに対する対応の呼びかけとが含まれた放送)について、 多くの対象者が、放送によって危険のニュアンスを感じていたが、正確にはとらえておらず、多くの人が注意や警戒を呼びかける放送に対し、 逃げなければならないととらえていたことから、情報の提供にあたっては、漠然とした注意、警告の呼びかけより、 より具体的に、今は何をすべきかを伝える必要があると考えられたとしている。 こうした観点も含め、知的障害児者が読むことや見聞きすることを想定したわかりやすい情報の提供に配慮をお願いします。 (注)参考文献 山根律子・池弘子(1995). 知的障害者への情報伝達に関する予備的検討 −災害・安全確保にかかわる情報の理解度調査− つくば国際大学研究紀要, 1,45-46. https://core.ac.uk/reader/229211770 社会福祉法人全国盲ろう者協会より 2022年12月1日 「視聴覚障害者等向け放送の充実に関する研究会」で検討して頂きたい課題 以下のとおり、要望します。 1.字幕・手話・解説放送にアクセスしやすくするための取組目標の明記 盲ろうという障害は、風疹症候群等による先天性、アッシャー症候群や神経繊維腫症等による後天性だけでなく、 単一の視覚障害者が病気や加齢等により、聞こえにくくなったり聞こえなくなることがある。 また、聴覚障害者が病気や加齢等で.見えにくくなったり見えなくなったりすることがある。高齢になれば両方の感覚の機能が低下していく。 したがって、誰にでも視覚と聴覚の二重の感覚障害になりうることを認識し、テレビ放送においても、盲ろう者がアクセスしやすいものにする必要がある。  放送分野における情報アクセシビリティに関する指針の見直しにあたっては、 盲ろう者がテレビ放送にアクセスしやすくするための取組目標を設定していただきたい。 【具体例】 (1)読みやすい・わかりやすい字幕放送 話者名の明確化(ドラマや複数の出演者が話す場面では、セリフの前に話者名を必ず入れる) 字幕の大きさ、色、コントラスト(白黒反転等) 表示位置(テレビ画面と区別された枠を一番下に固定する等) 字幕表出速度の調整 生放送での画面と字幕の一致 (2)はっきりと見やすい手話放送 手話通訳者をテレビ画面の横に配置する(ワイプ表示をしない) 手話通訳者の服装は無地の黒色等を着用する。また、通訳者の後ろの背景を黒か紺色にする(手の動きがはっきりわかりやすくなるため) (3) 聞きやすい解説放送 音声の質(音声の大きさや高低の調整をしたり、効果音の大きさを抑える等により、解説放送の音声をはっきりと聞き取りやすくする。 速度の調整ができるようにする(速いと聞き取れないため) 2.新技術を生かした、字幕・解説放送等の情報を点字ディスプレイで取得できるようにするためのシステム開発 (1)点字ディスプレイでアクセスするための支援機器の開発 以前、NHK技術研究所にて点字ディスプレイでテレビ放送を視聴する機器の実証実験が行われたが、 その後、開発業者がなかなか見つからず、そのままとなっている。盲ろう者は絶対的に人数が少なく、 コストがかかる上、マーケットが小さいため、開発・普及が進まないのが現状。 こうした支援機器を国が開発・普及を積極的に進めていただきたい。 (2)インターネットで配信されるテレビ放送にアクセスできるソフト開発 点字ディスプレイには、パソコンにつないで使うタイプと単体でインターネットにアクセスできる点字用端末がある。 盲ろう当事者の点字ユーザー、放送業者、点字ディスプレイのメーカーとが協働で、 インターネット配信のテレビ放送にアクセスできるようにするためのシステム開発をしていただきたい。 以上