資料名 資料1 生成AIの活用について 令和5年7月7日 情報流通行政局 地上放送課 衛星・地域放送課 <1ページ> 生成AIの普及と政府における最近の動向 生成AIの普及 質問や作業指示等に応え、画像や文章、音楽、映像、プログラム等の多様なコンテンツを生成するAI(人工知能:Artificial Intelligence) 技術の進展、精度の向上に伴い、様々な分野での導入・検討が進められている 生成AIに関する政府の動向 G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合(2023年4月29日から30日) G7デジタル・技術大臣会合閣僚宣言(2023年4月30日)(仮訳)(抜粋) (枠囲み ここから) 47. 生成AI技術が国や分野を超えてますます顕著になっていることを踏まえ、これらの技術の持つ機会と課題を早急に把握し、これらの技術が発展する中で、安全性や信頼性を促進し続ける必要があると認識している。 我々は、AIガバナンスや著作権を含む知的財産権の保護、透明性の促進、外国からの情報操作を含む偽情報への対処方法や、責任ある形での生成AIを活用する可能性といったテーマを含む生成AIに関するG7における議論を引き続き行うための場を設けることを計画している。 これらの議論は、専門知識を活用し、政策展開の影響に関する分析を検討するOECDや、関連する実践的なプロジェクトを実施するGPAIなどの国際機関を活用する必要がある。 (枠囲み 終わり) G7広島サミット(2023年5月19日から21日) G7広島首脳コミュニケ(2023年5月20日)(仮訳)(抜粋) (枠囲み ここから) 38.(略)我々は、国や分野を超えてますます顕著になっているAIの機会及び課題について直ちに評価する必要性を認識し、OECDなどの国際機関が政策展開の影響に関する分析を検討し、人工知能グローバルパートナーシップ(GPAI)が実践的なプロジェクトを実施することを奨励する。 この観点から、我々は、関係閣僚に対し、生成AIに関する議論のために、包摂的な方法で、OECD及びGPAIと協力しつつ、G7の作業部会を通じた、広島AIプロセスを年内に創設するよう指示する。 これらの議論は、ガバナンス、著作権を含む知的財産権の保護、透明性の促進、偽情報を含む外国からの情報操作への対応、これらの技術の責任ある活用といったテーマを含み得る。(略) (枠囲み 終わり) AI戦略会議(座長:松尾豊東京大学教授)(2023年5月11日から) 生成AIに関する基本的な考え方やリスクへの対応、AIの利用及び開発力等について検討 <2ページ> 放送分野における情報アクセシビリティに関連する生成AIの活用可能性 本研究会の中で紹介された放送分野におけるAIの活用事例 AI音声認識装置を活用した自動生字幕放送によって字幕サービスの拡充を図る実証実験の実施(NHK) AI生字幕付与システム「もじぱ」の活用(民間放送事業者) 生放送番組をインターネット配信する際、AI技術を活用して字幕表示のタイミングを番組の音声に合わせる「生字幕同期サービス」(NHK) ケーブルテレビ業界共通の映像コンテンツ流通プラットフォームに、字幕放送番組の制作支援に資するAIによる文字起こしの機能の実装(日本ケーブルテレビ連盟) 気象庁から発表されたデータを基に手話CGを自動生成し、災害時にいち早く避難・警戒を呼びかける「天気・防災手話CG」の「NHKオンライン」や「NHKニュース・防災アプリ」を通じた試験提供(NHK) 今後の生成AIの活用可能性の例 特に生放送において、音声内容の要約を字幕として付与 生放送における外国語音声について、日本語訳の字幕の自動生成や日本語音声による読み上げ 日本語訳の字幕は付与されているものの、吹き替えを準備する時間がないために日本語の音声情報が付与されていない外国語音声について、当該字幕の日本語音声による読み上げ 音声情報を踏まえた文字起こし及びその要約の作成並びに手話映像の生成、映像情報を踏まえた解説原稿の作成等、放送した番組の内容を基にした情報アクセシビリティに配慮したインターネットコンテンツの作成の補助 下向きの矢印 今後の本格的な活用・普及を見据えて、現時点での生成AIへの期待や懸念についてご意見いただきたい <3ページ> 【参考】視聴覚障害者等向け放送の充実に関する研究会 報告書(案)(第4回資料)(抜粋)@ (枠囲み ここから) 2 現状 (3)我が国における視聴覚障害者等向け放送の状況 @字幕放送の現状及び放送事業者の取組(地上放送関係) NHKでは、(略)生放送において、同時性確保のために冗長な言い回し等を省いて要約する取組として、字幕の要約をスポーツ番組の一部で導入している。 3 課題 (1)字幕放送の充実 B 要約の放送 本研究会では、音声を完全に文字に変換した場合、文字数が非常に多くなり、視聴者が読み切れない字幕となることもあることから、内容を一定程度に要約するなどによって、同時性を確保する試みがあってもよいのではないかとの指摘があった。 これについて、NHK のスポーツ中継における字幕の要約の取組は2(3)@「字幕放送の現状及び放送事業者の取組(地上放送関係)」で述べたが、ニュースや国会中継では微妙なニュアンスが失われ、正確性や公平性が毀損するおそれがあることから、現状では全ての生放送番組において字幕の要約を行うのは困難であるとの認識が NHK から示されている。 (枠囲み 終わり) (枠囲み ここから) 3 課題 (2)解説放送の充実 @ 文字のみで表示される情報の音声化 本研究会では、ニュース速報の内容やテロップ、外国語の日本語訳字幕等の文字のみで表示される情報を音声化することについての要望があった。 また、AIによる自動音声を活用して、ニュース中の外国語の日本語訳字幕をリアルタイムに音声化することができないかとの意見があった。 (枠囲み 終わり) <4ページ> 【参考】視聴覚障害者等向け放送の充実に関する研究会 報告書(案)(第4回資料)(抜粋)A (枠囲み ここから) 2 現状 (3)我が国における視聴覚障害者等向け放送の状況 @字幕放送の現状及び放送事業者の取組(地上放送関係) (略)各放送事業者はインターネット配信における取組を強化している。 NHKでは、オンデマンド配信サービス「NHKオンデマンド」においては字幕をオン・オフして利用できる番組を配信しており、ここ数年新たに配信されたほとんどの番組が字幕付きで視聴可能となっている。 また、同時配信サービス「NHKプラス」においても、字幕放送を実施している番組では同じ字幕を配信しているほか、一部の生放送番組において、AI技術を活用して字幕表示のタイミングを番組の音声に合わせて配信する「生字幕同期サービス」を提供している。 在京キー局であるフジテレビジョンでは、主人公が聴覚障害を持つ設定のドラマに関して、地上波での放送に加え、リアルタイム配信を除く全てのAVOD(広告付き無料動画配信)及びSVOD(定額制動画配信)の配信版でも字幕を付与した。 地上波では放送されず、配信で提供された当該ドラマの制作の様子を収めたドキュメンタリー番組にも字幕を付与している。 A 解説放送の現状及び放送事業者の取組(地上放送関係) 解説付与の取組はインターネット配信においても広がっている。 フジテレビジョンでは、2(3)@「字幕放送の現状及び放送事業者の取組」において紹介した、主人公が聴覚障害を持つ設定のドラマに関して、地上波放送に加え、リアルタイム配信を除く全ての配信版や、地上波では放送されず配信でのみ提供される番組にも解説を付与している。 3 課題 (4)その他の論点 Fインターネットコンテンツにおける対応 本研究会では、テレビ番組の再配信を含むインターネットコンテンツのアクセシビリティの向上に関して研究が必要であるとの意見があった。 放送事業者がインターネット配信において現在行っている取組については、2(3)@「字幕放送の現状及び放送事業者の取組(地上放送関係)」及び2(3)A「解説放送の現状及び放送事業者の取組(地上放送関係)」で紹介したとおりである。 (枠囲み 終わり)