供給単価 料金回収率(%)= ――――― ×100 給水原価 (参照項目) 経常費用−(受託工事費+材料及び不用品売却原価+附帯事業費) 給水原価(円・銭/m3)= ―――――――――――――――――――――――――――――― 年間総有収水量(料金算定分) 給水収益 供給単価(円・銭/m3)= ―――――――――――――― 年間総有収水量(料金算定分) 基本料金累積値 基本料金(円・銭/m3) 単純平均= ―――――――― 施設数 基本料金1×現在配水能力1+基本料金2×現在配水能力2+・・・・+基本料金n×現在配水能力n 加重平均= ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 現在配水能力累積値
区 分 | 料金回収率 | ||
18 | 19 | 20 | |
当 該 団 体 | |||
類似団体平均 | |||
全 国 平 均 | 100.0 | 101.9 | 105.0 |
A 施 設 | 69.7 | 73.9 | 78.5 |
B 県 | 132.0 | 144.1 | 153.2 |
区 分 | 給 水 原 価 | 供 給 単 価 | 基 本 料 金 | |||||||||
(単純平均) | (加重平均) | |||||||||||
18 | 19 | 20 | 18 | 19 | 20 | 18 | 19 | 20 | 18 | 19 | 20 | |
当該団体 | ||||||||||||
類似団体平均 | ||||||||||||
全国平均 | 22.26 | 21.69 | 21.02 | 22.26 | 22.09 | 22.08 | 30.92 | 30.80 | 30.89 | 22.81 | 22.64 | 22.66 |
A 施 設 | 78.91 | 74.45 | 69.94 | 55.02 | 55.05 | 54.92 | 55.00 | 55.00 | 55.00 | 55.00 | 55.00 | 55.00 |
B 県 | 25.90 | 23.80 | 22.35 | 34.18 | 34.30 | 34.24 | 34.00 | 34.00 | 34.00 | 34.00 | 34.00 | 34.00 |
【指標の見方】
料金回収率は、供給単価と給水原価との関係をみるものであり、料金回収率が100%を下回っている場合、給水に係る費用が料金による給水収益以外に受託工事収入、他会計繰入金等で賄われていることを意味する。回収率が著しく低い場合は、合理化等により給水原価を引き下げるか、又は適正な水準へ料金を引き上げることを検討する必要がある。
【施設別:A施設の分析】
A施設の給水原価は69.94円/m3、供給単価は54.92円/m3で、料金回収率は78.5%となっており、「料金原価」(当経営指標における定義:経常費用−(受託工事費+材料及び不用品売却原価+附帯事業費))は、料金収入だけで賄えていないが、給水収益以外にも給水先事業所からの営業協力金で賄っているため経常収支は黒字となっている。
【団体別:B県の分析】
B県の給水原価は22.35円/m3、供給単価は34.24円/m3で、「料金原価」が料金収入により賄われており、回収率は153.2%と全国平均よりかなり高く、そのため経常収支は黒字となっている。
【全体の傾向】
給水原価及び供給単価の全体の傾向としては、現在配水能力規模の小さい事業ほど、また、新しい事業ほど高い傾向にあり、一方、料金回収率については、規模の小さい事業ほど低く、給水原価と供給単価の乖離率(回収率−100(%))が大きくなる傾向にある。
また、水源別にみると「地下水のみ」及び「ダムを有するもの」の給水原価及び供給単価が高くなっている。「地下水のみ」は小規模でかつ比較的新しい施設が多いこと、「ダムを有するもの」は後述の指標からも分かるように、資本費負担が他水源の施設よりも大きいことなどが原因として考えられる。規模別をさらに水源別に分類したものでみると、それぞれの規模では「ダムを有するもの」が特に高くなっており(そこからみると、「地下水のみ」は高くはない)、「ダムを有するもの」で「小規模」または「極小規模」では、給水原価がそれぞれ44.5円/m3、75.8円/m3と突出して大きく、回収率も大幅に低くなっている。
今後、工業用水道施設の新規建設に当たっては、営業後の給水原価(特に規模が小さく、かつ、ダム・堰等の水源施設を有するもの)について、事業の目的と、その採算性との関係に留意し、試算を十分に行ったうえで、事業化の適否を判定する必要があると考える。
なお、1m3/日当たりの基本料金については、当然ながら給水原価と同じ傾向を示しており、現在配水能力規模の小さい事業ほど高くなっている。