建設改良のための企業債償還元金 企業債償還元金対減価償却費比率(%)=────────────────×100 当年度減価償却費
区 分 | 企業債償還元金対減価償却費比率 | ||
21 | 22 | 23 | |
当 該 団 体 | |||
類似団体平均 | |||
施設別平均 | 94.7 | 82.8 | 77.4 |
A 施 設 | 64.4 | 69.9 | 72.8 |
団体別平均 | 96.3 | 84.5 | 79.2 |
B 県 | 71.3 | 75.0 | 74.5 |
(前年度末償却資産−減価償却累計額)×0.9+無形固定資産 ※平均耐用年数=──────────────────────────── 当年度減価償却費
【施設別:A施設の分析】
A施設については、施設別平均を下回っていることから実質的な内部留保は比較的多いものと思われる。ただし、3か年の推移を見ると、比率が上昇傾向にある。これは、供用開始が早い施設であるため、年数を経過した資産が多く、比較的減価償却が進んでいる一方で、過年度に借り入れた建設改良のための企業債の償還が進行することにより、償還元金が増加しているためと考えられる。
【団体別:B県の分析】
B県については、A施設の比率より高い傾向にある。これは、建設の投資額が比較的高いダムを水源としている施設が他にあり、企業債への依存が高くなる傾向にあるため、償還元金の割合が大きくなり、A施設単体で見るより高くなってしまっているものと考えられる。しかし、団体別平均を下回っており、団体としても実質的な内部留保は比較的多いものと考えられる。
【全体の傾向】
企業債償還元金対減価償却費比率については、施設別にみると、規模が小さくなるほど比率が高い。これは、規模が小さいほど供用開始から期間を経ていないものが多いことが要因となっている。「ダムを有するもの」で高い傾向となるのは、当該施設の全固定資産額に占めるダム使用権の構成比が大きく、しかも耐用(償却)年数が55年と長期にわたることが要因である。
(※工業用水道事業債の償還年限は借入時点では、25又は28年が多く、ダムはもとより全工業用水道事業の全資産平均の耐用年数約40年より短い。)
有形固定資産減価償却累計額 有形固定資産減価償却率(%)=─────────────────────×100 有形固定資産のうち償却対象資産の帳簿原価
区 分 | 有形固定資産減価償却率 | ||
21 | 22 | 23 | |
当 該 団 体 | |||
類似団体平均 | |||
団体別平均 | 39.1 | 40.0 | 41.1 |
B 県 | 49.6 | 49.1 | 49.9 |
建設仮勘定 固定資産に対する建設仮勘定の割合(%)=───────────× 100 固定資産
区 分 | 固定資産に対する建設仮勘定の割合 | ||
21 | 22 | 23 | |
当 該 団 体 | |||
類似団体平均 | |||
団体別平均 | 14.0 | 13.7 | 14.0 |
B 県 | 5.1 | 3.5 | 1.3 |
【指標の見方】
固定資産に対する建設仮勘定の割合は、団体が保有している資産に対する建設中の資産の割合を示す比率である。工業用水道事業においては、他の公営企業と比べると、この比率が非常に高いものとなっているが、これは、ダム等水源開発施設の建設期間が長期化し、完成まで長い年月を要すること、産業構造等社会経済情勢の変化による企業誘致の停滞等により、水需要が当初見込んでいたものより伸び悩んでいるため、将来の需要の増加に対応するために確保した水源開発施設を建設仮勘定に経理していることなどが大きな要因として考えられる。
この比率は、今後の潜在的な赤字要因であり、契約率が伸び悩んでいる一方で、この割合が高い団体においては、施設が完成した際に経営状況が大幅に悪化する可能性がある。このため、現下の水需要の動向等を勘案し、将来の水需要を的確に見極め、将来にわたって使用する見込みのない水利権等については積極的に他の利水等へ転換する必要がある。
また、建設仮勘定にある資産については、費用として料金回収することはできないため、当該資産に係る企業債元利償還金等の財源は他会計からの繰入金等により賄うほかない。このため、この比率が高い団体においては、資本的収入に対する他会計繰入金の割合が高いものとなる。
【B県の分析】
B県については、団体別平均を大きく下回っている。完成した施設について建設仮勘定から資産への振替を適切に行っていると言える。
【全体の傾向】
固定資産に対する建設仮勘定の割合については、施設の規模が大きなものほど、建設事業の期間が長期化するため、高くなる傾向にある。