３　経営指標の利用方法


　ここでは、「１．業務の概況」から「９．繰入金の状況分析」にわたる９つの観点から、「２経営指標一覧」に掲げた各経営指標を用いて経営分析を行う。各事業体において、自らの数値と類似団体平均の数値を記入しながら、全国平均と、例にあげた施設別区分でのＡ施設、団体別区分のＢ県の数値を比較参照し、経営分析が行えるよう考慮した。各事業体における分析の際には、本指標を参考にするとともに、置かれている状況や特性を踏まえたうえで詳細な分析を行うよう留意されたい。また、経常収支比率100％以上の団体や類似の特定団体に対する比較も併せて行うことが望ましい。
　なお、Ａ施設はＢ県の保有する８施設（うち建設中１施設）のうちの１つであり、Ｂ県全体の配水能力の約1.7％を占めている。


Ⅰ　経営分析

　　本章で行う経営分析の項目と各指標の全国平均値は、次表のとおりである。



区　　　　　分		 施　設　別 団　体　別
当該施設 類似施設
平　　均		 全国平均 Ａ 施 設 当該団体 類似団体
平　　均		 全国平均 Ｂ 施 設
１．業務の概況
　現在配水能力　　　　　　　　(m３／日)　

　水源の種類
　供用開始年度(一部)　　　　　　　(年度)　
　　　〃　　　(全部)　　　　　　　(年度)　		 　 　 　
13,000

ダム等
　　-　
Ｈ５
 　 　 　
761,900

　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
　　　-
２．収益性
　総収支比率　　　　　　　　　　　　(％)　
　経常収支比率　　　　　　　　　　　(％)　
　営業収支比率　　　　　　　　　　　(％)　
　累積欠損金比率　　　　　　　　　　(％)　		 　 　
122.4
121.9
113.8
71.0
71.0
40.1 		　 　

122.5
122.0
113.8
30.8

127.3
127.9
122.7
　　-　
　　　- 　　　- 　　　- 　　　-

３．資産の状態

　企業債償還元金対減価償却費比率　　(％)　
　有形固定資産減価償却率　　　　　　(％)　
　固定資産に対する建設仮勘定の割合　(％)　

　

　

　

　
89.4
193.5		 　　

93.4
56.4
10.4

100.4
54.3
6.3

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-
４．財務比率
(１)流動性
　流動比率　　　　　　　　　　　　　(％)
　当座比率　　　　　　　　　　　　　(％)
(２)安全性
　自己資本構成比率　　　　　　　　　(％)
　固定資産対長期資本比率　　　　　　(％)

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-

　　　-
　　　-		　　

362.1
325.0

68.5
88.6

531.6
508.1

83.9
81.6
５．施設の効率性（稼働状況）
　現在配水能力に対する契約率　　　　(％)
　施設利用率　　　　　　　　　　　　(％)
　導送配水管使用効率　　　　 (千m３／ｍ)		　　
76.8
54.8
0.5
18.3
12.9
0.02
　
　
76.8
54.8
0.50
96.8
57.0
0.73
６．生産性
　職員1人当たり給水収益　　　　　 (千円)		　　
81,190
13,025
　
　
81,190
56,659
７．料金に関する項目
　料金回収率　　　　　　　　　　　　(％)		　　
116.4
40.8
　
　
116.4
127.3
８．費用に関する項目
(１)<費用構成比>
　減価償却費　　　　　　　　　　　　(％)
　職員給与費　　　　　　　　　　　　(％)
(２)<給水収益に対する割合>
　資本費　　　　　　　　　　　　　　(％)
　職員給与費　　　　　　　　　　　　(％)		　　

45.3
11.0

39.5
10.8

40.4
15.5

110.3
44.3 		　　

45.3
11.0

39.5
10.8

40.9
17.2

32.8
15.1
９．繰入金の状況分析
　損益勘定繰入金対総収益　　　　　　(％)
　資本勘定繰入金対資本的収入　　　　(％)		　　
1.6
21.9
　　　-
　　　-		　　
1.7
24.9
　　　-
　　　-

※施設別、団体別で全国平均に差があるのは、建設中の施設のものを計上するか否かの違いであり、施設別は、258施設のうち建設中の15施設を除く243施設についての平均であるが、団体別は、154団体のうち建設中の施設しかない４団体（４施設）を除く150団体（254施設）についての平均であるためである。


Ⅱ　例示の施設及び団体の経営状況と類型区分

　　　(1) Ａ施設の状況

現在配水能力 主　な　水　源 供用開始
年　　度		 総 収 支
比　　率		 経常収支
比　　率		 契約率

13,000m３／日　
　		 ダム等
 H５
(全部給水)		 71.0％　 71.0％　 18.3％　

　Ａ施設は、Ｂ県が保有する施設の１つである。現在配水能力は13,000m３／日（計画配水能力13,000m３／日）で、総収支比率71.0％、経常収支比率71.0％となっており、本書における分類では、現在配水能力規模は「小規模」（現在配水能力10,000m３／日以上 50,000m３／日未満）、水源の種類は「ダムを有するもの」、供用開始年度は「昭和51年度以降」の類型に属する。


　　　(2) Ｂ県の状況

合計現在
配水能力		 主 な 水 源 総 収 支
比　　率		 経常収支
比　　率		 累積欠損金
比　　　率		 不良債務
比　　率		 契約率

761,900m３／日　
　
-
　
127.3％　
　
127.9％　
　
　　　　　　-　
　
　　　　　　-　
　
96.8％　
　

　Ｂ県は、合計現在配水能力761,900m３／日（合計計画配水能力797,500m３／日）で、総収支比率127.3％、経常収支比率127.9％であり、本書における分類では、現在配水能力規模は「大規模」(現在配水能力200,000m３／日以上)の類型に属する。

　以下、「１．業務の概況」から９項目にわたる分析を行う。

進む（分析項目の目次へ）　→
←　目次へ戻る
平成27年度工業用水道事業経営指標