はしがき

 我が国の水道事業は、平成13年度末には普及率が96.7%になるなど、地方公営企業を代表する事業として、また、国民生活の基盤となるライフラインとして極めて重要な地位を占めている。
 しかしながら、今日の水道事業を取り巻く環境は大変厳しく、水需要の鈍化による収益の低下が見込まれる一方で、経年化した施設の改良・更新、震災対策などの施策の必要性はますます高まっている。
 さらに、「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」(平成13年6月26日閣議決定)等において、地方公営企業への民間的経営手法の導入を促進することとされており、各水道事業体においては、業務委託(アウトソーシング)の推進、PFI等の有効活用を通じた市場競争原理の導入などを通じて、今まで以上に効率的な経営に努める必要がある。
 また、平成12年8月には、政府の物価安定政策会議(総理の諮問機関)において、「公共料金分野における事業横断的な情報公開ガイドラインに関する報告書」が公表され、その中で、地域独占的な事業形態である水道事業は、料金の妥当性や経営内容について積極的に説明する責任を有しており、住民に対して分かりやすい形で事業の効率化努力や収支の見通しといった財務情報等を提供することが要請される等、以前にも増して事業に対する住民の理解と信頼を得ることが求められている。
 こうした水道事業を取り巻く厳しい環境の中で、事業の経営状況を客観的に捉え、類似団体との比較を行うための統計資料として、「水道事業経営指標」を作成した。
 本指標は、平成13年度地方公営企業決算状況調査を基礎とし、営業中の上水道事業(末端給水事業)について、現在給水人口、主たる水源及び有収水量密度の区分により、類似するグループごとに分類し、様々な角度から分析したものである。
 本指標を、今後の経営改善に当たっての尺度として積極的に活用され、経営の健全性確保の一助としていただければ幸いである。
平成15年3月           
総務省自治財政局公営企業経営企画室長
          園 田  健 次
← 目次へ戻る

平成13年度水道事業経営指標