平成15年度総務省政策評価会(第4回)議事要旨


1 日時:
平成16年3月16日(火)13時00分〜15時00分

2 場所:総務省8階 801会議室

3 出席者:
    中邨 章 明治大学政治経済学部教授(座長)、荒巻 禎一 前京都府知事、上山 信一 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、北大路 信郷 静岡県立大学経営情報学部教授、武田 安正 アクセンチュア株式会社統括パートナー
 【総務省側出席者】
  衞藤総括審議官、滝本政策評価広報課長、後藤政策評価広報課企画官

4 議事概要:
 (1)衞藤総括審議官挨拶
 (2)事務局から配布資料について説明
 (3)質疑応答
 (4)事務局から今後の予定について説明

5 評価会においてメンバーから出された主な意見等:

(1)次期総務省政策評価基本計画案について(報告)
(2)平成16年度の総務省における政策評価の取り組みについて
過去の評価実績を踏まえて評価手法と評価作業のバージョンアップがされており、「評価」についてはほぼよいと考える。今後は評価実施後に政策への反映につなぐ仕組みを充実することが必要。
評価実施後の仕組みについて、方向性は正しいのだが、抽象的。「基本計画」という法令的な文章に今以上書くことは難しいとは思うが、「チェックからアクションへ」というスタンスを何らかの形で打ち出すべきではないか。
今まで評価を実施してきたことにより、政策形成能力の向上や職員の意識改革という点については成果が上がっていると感じる。
鳥インフルエンザへの対応などの時事的問題については評価制度により対応することは困難であり、評価の枠組みや結果にとらわれず幹部が時宜にあった適切な対応をすることが必要。
評価を一つの部署にまとめて実施すると総合的にできるメリットがある一方、他のセクションが自分の仕事ではないと思うというデメリットもあり、国民に対して各部局各課が組織全体として取り組むようトップからの指導が必要。
事務事業レベルでの評価の簡略化など評価作業を簡素に簡略化しようとすることは大賛成。また、「政策−施策−事務事業」という形に整理し、政策・施策等の階層構造がわかりやすくなってきている。
政策評価の効果について、職員の意識改革というような一般論とは別に、評価(結果)によってこのように良くなった、このような新規施策がでてきたという具体的な効果を知りたい。
政策や施策について目標の達成状況を数値化した指標で判断すると言い切ることができるようになったのは大変な進歩。今後はこれらの指標により判断することによって政策や施策が改善されるという成果(=良い変化)がでてくるよう、1年くらいのスパンで指標を見直すくらいの柔軟性が必要ではないか。
アメリカの政策評価では、マニフェストをもとに大臣が評価の総論部分を示し、それに各論があるのだが、日本では、アメリカにおける「総論」部分がないため、各論における政策の必要性についての記述が白々しくなる。また、評価の「主語」がないのも問題。
「評価」という枠組みの中での改善は今の取組は限界であり、これ以上は評価関係者では担いきれない。これから先は「大臣」と「局長」との政策についての契約のようなものも意識し、評価は両者で決めてもらうというような荒技が必要かもしれない。
指標等の数字は、定義が変わればその意味が変わってしまうし、さらに制度や社会状況などの背景が変われば意味が変わってしまう。政策評価の限界と守備範囲を理解して評価を活用しなければいけない。
評価結果の活用は、現在のところ予算査定につなぐことで担保しようとしているが、財政事情を考えると予算によるコントロールが困難になっており、トップダウンで評価結果の活用に取り組むことが重要。
前回の評価会において5つの重点分野と局との関係(政策のオーナーシップ等)が議論になったが、それぞれの局が局としての戦略目標をもつことが重要。
すべての政策・施策が同じスピードで進むわけではないので、決算、概算要求といった枠組みの中で評価する時期を考えるばかりでなく、政策に応じた時間軸での切り方も考える必要がある。

(3)総合評価(「総務省の政策の協働促進」)について
「総合評価」は一歩離れて全体を見るといったもので、本来このようなことをすべきであり、よいテーマ。
評価書は内容も具体的でよくまとまっている。
「省庁再編は看板のつけかえではなく、効果があった」という消極的な説明になっているが、「総合評価」というフォーマットにとらわれすぎて「口下手」な評価書という印象。ここまで内容があるものであれば、自信をもって総務省はこうだと外向けのビジョンや自己主張を積極的に打ち出した方がよい。
「政策の協働促進」というより組織と組織、部局間の連携の話なので、もっと魅力的なタイトルにした方がよいのではないか。
総務省の仕事は他省庁、地方公共団体、電気通信事業者を相手にするものであり、「サービス官庁」としてこれらの「クライアント」を意識することが必要。地方公共団体とのつきあい方などのように、クライアントとのパートナーシップのあり方が次期総合評価のテーマとして考えられる。
総合評価については、いろいろなやり方があるので、今後はどのように利活用していくかを考え、もう少し幅広なものであってもよいのではないか。
先程議論した次期総務省政策評価基本計画や16年度の総務省における政策評価の取り組みに対する皆さんのご意見は、この総合評価書(案)にも通じるものなのでこの評価書が議題となってから出た意見とともに学識経験者の意見として評価書に記載してほしい。
郵便局の活用については、高齢者対策や危機管理対策等、省庁統合の良い方向が出ているので今後とも進めてもらいたい。
今回の総合評価に当たっていくつか現場の意見を聞いているが、これは大変重要なので、他の問題についてもいくつかずつでもよいから取り組んだ方がよい。
テーマ選定理由については、閣議決定等で省庁再編の目的に協働促進があることが記載されていれば、それを引用し、その検証のために取り組んでいることを明らかにした方がよい。
この総合評価書はきれいなツリー構造になっているので、もっとビジュアルに見えるよう工夫して欲しい。
個別の政策分野においては、ITと郵政がクローズアップされているが、他分野も含めた全省的な取組がされていると言えないか。
総合評価においては都合のよいところだけ「つまみ喰い」したと思われることもあると思うので、フレームワークをつくって取り組む方がよいのではないか(例えば協働や連携について、縦・横の関係、さらにそれぞれ省内、省庁間、省外に分けてマトリックスをつくるなど)。



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