特殊法人等に関する閣議決定等の実施状況に関するフォローアップ結果について

 

第1  目的
   特殊法人及び認可法人(以下「特殊法人等」という。)については、「行政改革大綱」(平成12年12月1日閣議決定)において、特殊法人等改革に関連して、「平成7年以降、累次の閣議決定に記載された特殊法人等に関する指摘事項等については、本年中(注:平成12年中)にフォローアップを行い、その結果を公表する」とされた。これを受け、政府においては、今般、平成7年以降の累次の閣議決定における特殊法人等に係る指摘事項(以下「指摘事項」という。)の実施状況について、フォローアップ作業を行ったところである。
 本資料は、本フォローアップ作業において各特殊法人等の主管官庁から「指摘事項」の実施状況等として報告があったものを、総務省行政管理局が取りまとめて公表するものである。

 

第2  フォローアップ作業の概要
  (1)  本フォローアップ作業の対象とした特殊法人等は、特殊法人(76法人)及び認可法人(81法人)である。
       
(注) 平成13年3月に廃止される造船業基盤整備事業協会並びに同年4月に廃止される年金福祉事業団及び国立教育会館は、フォローアップ作業の対象から除いた。
         
  (2)  本フォローアップ作業の対象となる「指摘事項」に係る平成7年以降の閣議決定は、以下のとおりである。
       ・ 特殊法人の整理合理化について(平成7年2月24日閣議決定)
      ・ 日本輸出入銀行と海外経済協力基金の統合について(平成7年3月31日閣議決定)
      ・ 特殊法人のディスクロージャーについて(平成7年12月19日閣議決定)
      ・ 当面の行政改革の推進方策について(平成7年12月25日閣議決定)
      ・ 行政改革プログラム(平成8年12月25日閣議決定)
      ・ 特殊法人等の整理合理化について(平成9年6月6日閣議決定)
      ・ 特殊法人等の整理合理化について(平成9年9月24日閣議決定)
      ・ 特殊法人等の整理合理化について(平成9年12月26日閣議決定)
      ・ 特殊法人の役員の給与について(平成10年9月29日閣議決定)
      ・ 民間と競合する公的施設の改革について(平成12年5月26日閣議決定)
         
  (3)  本フォローアップ作業においては、「指摘事項」に関する実施状況を、原則として平成12年12月31日時点で把握した(数値データ等は、同日時点で利用可能な最新のものを利用した。)。
         

 

第3  フォローアップ結果の概要
    本フォローアップ結果の概要は、以下のとおりである(なお、この概要は、多種多様な特殊法人等に係るフォローアップ結果を概観するため、各特殊法人等の主管官庁が個別の法人ごとに作成した個票における記載内容をベースに、便宜上、大括りして集約したものである。
         
1 各特殊法人等に共通する「指摘事項」関係
  特殊法人等に共通する主な「指摘事項」の実施状況は、概要以下のとおりである。
  (1) 事業関係
    a 業務量
   
指 摘 事 項
指摘事項の
対象法人数
実 施 状 況 等
備   考
同一の政策による事業について、原則としてサンセット方式による見直しを実施
78法人
(※)
・ 事業全体にサンセット方式を導入済としている法人 …  8法人
・ 一部の事業にサンセット方式を導入済としている法人 … 29法人
・ その他(※※) … 41法人
※ 閣議決定上、(1)既に廃止・民営化が決定されている法人及び(2)特殊会社、組合等は、本「指摘事項」の対象外。
※※ 「その他」のうち、事業の性格等からサンセット方式を採用していないとしている法人は、39法人。
新規の政策による事業を始めるときは、スクラップ・アンド・ビルドの考え方に基づき、従前の事業の廃止等を実施
41法人
(※)
・ スクラップ・アンド・ビルドを原則としているとする法人 … 15法人
・ スクラップ・アンド・ビルド原則を一部事業で導入としている法人 … 15法人
・ その他 … 11法人
※ 閣議決定上、本「指摘事項」の対象は、(1)既に廃止・民営化が決定されている法人及び(2)特殊会社、組合等以外の法人のうち、平成9年の閣議決定以降に新規の政策による事業を始めた法人。
         
    b 評価
   
指 摘 事 項
指摘事項の
対象法人数
実 施 状 況 等
備   考
法人の活動実績や研究開発について、外部の評価機構による評価を実施し、評価結果を公開
148法人
(※)
・ 主務官庁の審議会等で評価 … 12法人
・ 主務官庁等の特別の体制で評価 … 12法人
・ 法人内に設置した第三者機関で評価 … 88法人
・ 会計監査人による監査を実施 … 11法人
・ 株式会社に関する諸規定に沿って公開を実施 …  5法人
・ 外部の機構等を活用した評価の導入又は拡充を検討・試行中 … 38法人
・ その他(労使を代表する共済組合員による「運営審議会」で評価等) … 29法人


複数回答あり

うち、評価、試行等の結果を何らかの形で公表…36法人
※ 閣議決定上、既に廃止・民営化が決定されている法人は、本「指摘事項」の対象外。
         
  (2) 財務・経理関係
    a 他法人への拠出・出資
   
指 摘 事 項
指摘事項の
対象法人数
実 施 状 況 等
備   考
株式会社等への出資等を原則禁止し、やむを得ないときは大臣承認を要件化
・ 既に出資等をしている株式会社等も大臣の承認を受けたものを除き廃止
・ 出資等先の株式会社等が更に出資等を行う場合も準じて対応
124法人
(※)
・ 従来から株式会社等への出資等を行っていない …101法人
・ 閣議決定後に株式会社等への出資等をすべて廃止 …  1法人
・ 「指摘事項」の対象となる株式会社等への出資等があるが、すべて大臣承認を受けて実施 … 16法人
・ 「指摘事項」の対象となる株式会社等への出資等があるが、今後これを解消する予定等 …  6法人
※ 閣議決定上、(1)既に廃止・民営化が決定されている法人、(2)特殊会社及び(3)特殊法人等が法律に基づく本来業務として他法人への資金供給を行う場合は、本「指摘事項」の対象外。
         
    b 発注契約
   
指 摘 事 項
指摘事項の
対象法人数
実 施 状 況 等
備   考
株式会社等への業務発注について、小規模案件、緊急案件等を除き、競争入札を導入
143法人
(※)
・ 原則として競争入札を導入 …139法人
・ 一部の発注に競争入札を導入 …  1法人
・ その他(発注は小規模案件のみ) …  3法人
※ 閣議決定上、(1)既に廃止・民営化が決定されている法人及び(2)特殊会社は、本「指摘事項」の対象外。
優良な中小・中堅建設業者の受注機会確保の観点からの公共事業入札(発注標準等)の見直し
17法人
(※)
・ 発注標準の見直し等を実施 … 17法人
※ 閣議決定上、公共事業を行っている法人((1)既に廃止・民営化が決定されている法人及び(2)特殊会社を除く。)が、本「指摘事項」の対象。
         
    c 財務公開
   
指 摘 事 項
指摘事項の
対象法人数
実 施 状 況 等
備   考
可能な限り民間企業に適用されている会計基準に基づく会計処理を実施
148法人
(※)
・ 「民間企業に適用されている会計基準」に基づく会計処理を実施 … 15法人
・ 「特殊法人等会計処理基準」に基づく会計処理を実施 … 80法人
・ 「特殊法人等会計処理基準」に準ずる会計処理を実施 … 46法人
・ 「公益法人会計処理基準」に基づく会計処理を実施 …  5法人
・ その他(単式簿記による処理等) …  2法人
※ 閣議決定上、既に廃止・民営化が決定されている法人は、本「指摘事項」の対象外。
事業活動の状況を財務諸表等に記載し、公開
157法人
・ 株式会社に関する諸規定に沿って公開を実施 … 12法人
・ 「指摘事項」に沿って公開を実施 …145法人
(※)
※ このうち、子会社・関連会社を有する22法人中19法人で、子会社・関連会社の事業活動内容を公開。
一般会計及び特別会計からの繰入額及び同累積額、財投出融資額及び同残高、不良債権額、累積損失額、繰上償還額のうち、当該法人に該当する項目は公開
148法人
(※)
・ 「指摘事項」に沿って、公開すべき項目のうち当該法人に該当するものをすべて公開 …136法人
・ その他(公開すべき項目の一部を公開に向けて整理中等) …  7法人
・ 株式会社に関する諸規定に沿って公開を実施 …  5法人

うち、不良債権を有する33法人中29法人で、不良債権額を公開
※ 閣議決定上、既に廃止・民営化が決定されている法人は、本「指摘事項」の対象外。
         
  (3) 資金調達関係
   
指 摘 事 項
指摘事項の
対象法人数
実 施 状 況 等
備   考
財投機関債の発行を自由化し、自力での資金調達に努力
35法人
(※)
・ 平成13年度に財投機関債の発行を予定(※※) … 18法人
・ 財投機関債の発行について検討中 … 10法人
・ その他(当面、借入れ等による外部からの資金調達の予定がない等) …  7法人
※ 閣議決定上、本「指摘事項」の対象は、既に廃止・民営化が決定されている法人以外の法人のうち、事業資金を財投資金に依存している法人(平成13年度財政投融資計画ベースで集計)。
※※ このほか、本「指摘事項」の対象となっていない2法人においても、平成13年度に財投機関債の発行を予定。
         
  (4) 役員・職員関係
    a 役職員定員
   
指 摘 事 項
指摘事項の
対象法人数
実 施 状 況 等
備   考
常勤役員数が10名以上の特殊法人等について、政府が任命権を有する役員数を10%削減(ただし、統合対象法人は、統合の際に役員数削減)
8法人
(※)
・ 常勤役員数の10%削減を実施済 …  7法人
・ 常勤役員数の10%削減を今後実施予定 …  1法人
※ 閣議決定上、(1)既に廃止・民営化が決定されている法人、(2)特殊会社、組合等、(3)役員数10名未満の法人、(4)政府が役員の任命権を有しない法人及び(5)平成7年以降に決定した特殊法人の統合に伴い別途役員数の削減方針を定めた法人は、本「指摘事項」の対象外。
職員定数を10年間で計画的に10%削減
76法人
(※)
・ 13年度からの新定員削減計画に基づき削減を推進中
… 72法人
(※※)
・ その他(小規模法人のため削減が行われていない法人) …  4法人
※ 閣議決定上、(1)既に廃止・民営化が決定されている法人、(2)特殊会社、組合等及び(3)財政支出に依存していない法人は、本「指摘事項」の対象外。
※※ 平成12年度以前にも計画削減等を実施している法人は、72法人。
特殊法人間の人事交流の実施
76法人
(※)
・ 人事交流を実施中 … 38法人
・ 人事交流を実施予定 …  1法人
・ 人事交流を実施していない
… 37法人
(※※)
※ 閣議決定上、特殊法人のみが本「指摘事項」の対象。
※※ うち、人事交流の実施を検討中の法人は、6法人。
         
    b 役員人事
   
指 摘 事 項
指摘事項の
対象法人数
実 施 状 況 等
備   考
特殊法人等相互間における役員のたらい回し的異動(いわゆる「渡り」)は、真にやむを得ない場合に限るとともに、この場合においても1回限りに限定
148法人
(※)
・ 閣議決定以降、いわゆる「渡り」となる異動を行った役員はいない …137法人
・ 閣議決定以降、1回に限り「渡り」となる異動を行った役員がいる … 11法人
※ 閣議決定上、既に廃止・民営化が決定されている法人を除く各法人における平成9年の閣議決定後の役員の異動が、本「指摘事項」の対象。
   
※ 上記に加え、「政府が任命権を有する常勤役員について…省庁ごとに主管の特殊法人全体を通じ、その主管省庁からの直接の就任者及びこれに準ずるものをその半数以内にとどめる」との「指摘事項」については、本フォローアップの把握時点においては、全省庁で達成済
         
    c 役員給与
   
指 摘 事 項
指摘事項の
対象法人数
実 施 状 況 等
備   考
特殊法人等の役員給与を任命権者の俸給額より低くなるよう調整
90法人
(※)
・ 役員給与が任命権者の俸給額より低くなっている … 90法人
※ 平成9年12月の閣議決定上、(1)既に廃止・民営化が決定されている法人、(2)特殊会社及び(3)政府が役員の任命権を有しない法人は、本「指摘事項」の適用対象外。
※※ うち、86法人の役員給与は、実際上、事務次官の俸給額の範囲内となっている。
特殊法人の役員給与を事務次官の給与相当額の範囲内で調整
53法人
(※)
・ 役員給与が事務次官の俸給額の範囲内となっている … 53法人
※ 平成10年9月の閣議決定上、(1)既に廃止・民営化が決定されている法人、(2)特殊会社、(3)組合等、公営競技関係法人等及び(4)認可法人は、本「指摘事項」の適用対象外。
         
2 各特殊法人等に対する個別の「指摘事項」関係
  (1) 個別事業の合理化・効率化等関係(閣議決定で指摘のあった法人数:109法人)
 
   個別の「指摘事項」は、具体的な措置を求めるもの、方向性に沿った対応を継続的に求めるもの、検討を求めるもの等多種多様にわたるため、以下の区分により、実施状況の概要を整理した。
   
区      分
法人数
備考
閣議決定におけるすべての「指摘事項」について、具体的な対応を実施してきているとする法人(※)
102法人
※ 「指摘事項」についてすべて実施済の法人、実施中の法人、指摘事項に準ずる措置を実施した又は実施している法人、現段階では未実施の事項もあるが、その実施時期は確定している法人を含む。
閣議決定における一部の「指摘事項」について、今後、更にその具体化のための検討を行うこととしている法人
7法人
 
         
  (2) 統廃合等関係  
   
指  摘   事   項
実  施  状  況  等
○ 日本電信電話株式会社の再編成
 
○ 国民金融公庫と環境衛生金融公庫の統合
○ 日本輸出入銀行と海外経済協力基金の統合
○ 日本開発銀行の廃止・新法人設立、北海道東北開発公庫を統合
○ 日本たばこ産業株式会社の塩専売事業を民営化
○ 新技術事業団と日本科学技術情報センターの統合
○ 私立学校教職員共済組合と日本私学振興財団の統合
○ 中小企業退職金共済事業団と建設業・清酒製造業・林業退職金共済組合の統合
○ 雇用促進事業団の廃止・新法人設立
○ 農用地整備公団の廃止(受託残事業の森林開発公団への移管)
○ 畜産振興事業団と蚕糸砂糖類価格安定事業団の統合
○ 中小企業信用保険公庫と中小企業事業団の統合
  繊維産業構造改善事業協会の廃止
○ アジア経済研究所と日本貿易振興会の統合
○ 石炭鉱害事業団と新エネルギー・産業技術総合開発機構の統合
○ 住宅・都市整備公団の廃止・新法人設立
○ 船舶整備公団と鉄道整備基金の統合
造船業基盤整備事業協会の廃止
   
○ 農業共済基金の廃止
→ 日本電信電話株式会社、東日本電信電話株式会社、
西日本電信電話株式会社の発足
(平成11年 7月)
→ 国民生活金融公庫の発足 (平成11年10月)
→ 国際協力銀行の発足 (平成11年10月)
→ 日本政策投資銀行の発足 (平成11年10月)
→ 塩専売制度の廃止 (平成 9年 4月)
→ 科学技術振興事業団の発足 (平成 8年10月)
→ 日本私立学校振興・共済事業団の発足 (平成10年 1月)
→ 勤労者退職金共済機構の発足 (平成10年 4月)
→ 雇用・能力開発機構の発足 (平成11年10月)
→ 緑資源公団(森林開発公団を名称変更) (平成11年10月)
→ 農畜産業振興事業団の発足 (平成 8年10月)
→ 中小企業総合事業団の発足 (平成11年 7月)
  (廃止される繊維産業構造改善事業協会から必要な業務を移管)
→ 日本貿易振興会の発足 (平成10年 7月)
→ 新エネルギー・産業技術総合開発機構の発足 (平成 8年10月)
→ 都市基盤整備公団の発足 (平成11年10月)
→ 運輸施設整備事業団の発足 (平成 9年10月)
(廃止される造船業基盤整備事業協会から必要な業務を移管 (平成13年3月(予定))
→ (農林漁業信用基金へ業務移管) (平成12年 4月)
○ 北方領土問題対策協会: 北方領土が返還された時点で廃止
○ 電源開発株式会社: (平成9年の閣議決定から)5年程度の条件整備期間を置いた後、完全民営化
○ 地域振興整備公団: 都市基盤公団との業務分野を明確にし、その統合を検討
○ 本州四国連絡橋公団: 3ルート概成時に組織形態の見直し
○ 帝都高速度交通営団: 民営化の第一段階として7号線及び11号線の完成時を目途に特殊会社化
○ JR7社: できる限り早期に純民間会社化
一部実施・推進中(検討中の場合を含む)
   
(注) 上記のほか、平成7年以降の累次の閣議決定においては、国立教育会館の廃止等今回のフォローアップの対象となっていない事案も盛り込まれている。