<6 個人情報ファイルの該当性>

回答

Q6-1
保護法で規定している「個人情報ファイル」とはどのようなものですか。例えば、次のようなものは、「個人情報ファイル」に当たりますか。
 1) 個人情報が記録されている申請書を受付順、年度別に綴ったもの
 2) 個人情報が記録されている調査票を土地の地番順に綴ったもの

A

 保護法でいう「個人情報ファイル」とは、一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成した保有個人情報を含む情報の集合物をいいます(第2条第4項)。一言でいうと、個人情報のデータベースです。個人情報ファイルには、特定の保有個人情報の検索方法に応じて、電子計算機処理された個人情報ファイル(同項第1号)とそれ以外の紙等のマニュアル処理による個人情報ファイル(同項第2号)との2種類があります。マニュアル処理ファイルについて、「特定の保有個人情報を容易に検索することができる」状態にあるといえるためには、例えば、人名を容易に検索することができるように五十音順に整理していることなどが必要です。

  • 1)については、個人情報が記録されている申請書を単に申請の受付順に綴り、それを年度単位で整理しているだけのものであって、特定の保有個人情報を探し出すには、綴りを初めから順番にめくっていく方法しかないような場合には、特定の保有個人情報を容易に検索することができるとはいえないので、個人情報ファイルには当たりません。ただし、この綴りとは別に、特定の保有個人情報を検索することができるよう目次を作成しているような場合には、当該目次によって、特定の保有個人情報を容易に検索することができるため、個人情報ファイルに当たります。
  • 2)については、土地の地番を検索キーとして情報の検索を行うことは可能であると思われますが、調査票に記録されている特定の個人に着目した検索を行うことができず、特定の保有個人情報を容易に検索することができるとはいえないため、個人情報ファイルには当たりません。なお、1)と同様、別途、目次等を作成して、特定の保有個人情報を容易に検索することができるように整理している場合には、個人情報ファイルに当たります。

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Q6-2
職員録及び省内LAN運用管理データ(省内LANにアクセスできる職員に関する情報(IDやパスワードなど)を集めたデータベース)等は個人情報ファイルに該当しますか。また、該当する場合には、個人情報ファイル簿の作成・公表が必要ですか。

A
  • 1)「職員録」については、一般的に、特定の職員の検索を容易にするため、職員名を五十音順に整理した「目次」あるいは「索引」を添付したり、所属部署ごとに職員を五十音順あるいは役職順に整理して、冊子等(紙)に編集されている場合が多いと考えられ、そのような場合には、個人情報ファイルに該当すると考えられます。
     ただし、業務上必要な連絡のために利用する「職員録」については、連絡に必要な事項のみを記録するものであれば、個人情報ファイル簿の作成・公表の必要はありません(保護法第11条第2項第1号が適用される同法第10条第2項第7号該当の個人情報ファイル))。
  • 2)「省内LAN運用管理データ」については、一般的に、特定の職員の個人情報に係るLAN管理運用データの検索を容易にできるようにされている場合が多いと考えられ、そのような場合には、個人情報ファイルに該当すると考えられます。
     また、「省内LAN運用管理データ」が行政機関の内部管理のためにのみ利用されるのであれば、人事、給与等の情報を記録するファイルに準ずるファイルとして、個人情報ファイル簿の作成・公表の必要はありません(保護法第11条第2項第1号が適用される同法第10条第2項第3号該当の個人情報ファイル)。

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Q6-3
コンピュータで処理されている個人情報については、コンピュータの検索機能を利用して特定の保有個人情報を検索することが可能ですが、この場合、例えば、ワープロソフトで作成しているものなどを含め、おおよそすべて個人情報ファイルに該当することになるのですか。

A

 コンピュータで処理されている個人情報について、一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成されている場合には、保護法第2条第4項第1号が定める電子計算機処理された個人情報ファイルに該当します。
 設問の例のように、ワープロソフトを利用して個人情報を処理している場合であっても、特定の保有個人情報を検索することができるように、例えば、表形式をとり、記録項目の配列等を体系的に整理して記録しているような場合には、特定の保有個人情報を検索することができるように体系的に構成されていることから、個人情報ファイルに該当します。
 これに対し、例えば、表形式をとらない文書の中に個人情報が散在的に記録されており、この中からワープロソフトの検索機能を利用して特定の個人情報を検索することができるにすぎないような状態にある場合には、特定の保有個人情報を検索することができるように体系的に構成されているとはいえませんので、個人情報ファイルには該当しません。

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Q6-4
例えば、ある申請書の受付業務を全国の出先機関で行っている場合に、特定の保有個人情報を容易に検索することができるように申請書を五十音順に整理して綴っている機関と整理せずに綴っている機関とがあったとすると、整理して綴っている機関が管理しているものだけが個人情報ファイルに該当することになるのですか。

A

 個人情報ファイルとは、一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成した保有個人情報を含む情報の集合物をいいます。このため、設問の場合には、五十音順に整理して綴っている機関が管理しているものだけが個人情報ファイルに該当することになります。

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Q6-5
個人情報ファイルはどのように数えるのですか。例えば、年度別に整理している場合は、年度ごとに数えるのですか。また、複数の出先機関で特定の個人情報ファイルを共有している場合にはどうですか。

A

 個人情報ファイルとは、一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成した保有個人情報を含む情報の集合物をいいます。「一定の事務」とは、個人情報ファイルの作成目的となる特定の事務を指しており、個人情報ファイルの数え方は、この「一定の事務」の範囲によって判断することになります。
 例えば、年度別に整理しているものであっても、複数年度のファイルを一体として利用している事務の実態がある場合には、一つの個人情報ファイルと数えることになります。逆に、一体として利用していない場合には、年度ごとに数えることになります。
 また、複数の出先機関で特定の個人情報ファイルを共有している場合には、一つの個人情報ファイルを複数の機関で利用していることになります。

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Q6-6
個人情報ファイル簿とはどのようなものですか。また、個人情報ファイル簿を作成・公表することとした趣旨は何ですか。

A

 行政機関が保有する個人情報には、紙文書の中やワープロソフトで作成したデータに散在的に記録されているもの(散在情報)だけでなく、データベースとして体系的に整理され、保管・利用されている「個人情報ファイル」もあります。
 個人情報ファイルは、電子計算機処理であるかマニュアル処理であるかを問わず、散在情報に比べて利便性が高く、行政運営を効率的に行う上で欠くことができないものです。一方で、不適切に利用された場合や漏えいされた場合には、個人の権利利益の侵害の度合いも、散在情報に比べて大きいと考えられます。
 このような個人情報ファイルの利用に伴う個人の権利利益の侵害の危険性にかんがみ、その存在及び概要を明らかにすることにより透明性の確保を図り、行政機関における利用目的ごとの保有個人情報の適正な管理に役立てるとともに、本人が自己に関する個人情報の利用の実態をより的確に認識することができるよう、保有している個人情報ファイルの名称、利用目的、記録項目などの個人情報ファイルに関する"あらまし"を記載した帳簿として、行政機関ごとに1つの「個人情報ファイル簿」を作成し、公表することとされています(保護法第11条第1項)。
 個人情報ファイル簿のイメージは、次図のとおりです。

 

 また、以下の個人情報ファイルについては、個人情報ファイル簿の作成・公表をしなくてもよいこととされています(保護法第11条第2項)。

  • 1) 国の安全、外交上の秘密等の国の重大な利益に関する事項を記録した個人情報ファイル
  • 2) 犯罪の捜査、租税に関する犯則事件の調査等のために作成した個人情報ファイル
  • 3) 職員等の人事、給与等に関する事項を記録した個人情報ファイル
  • 4) 試験的に作られた個人情報ファイル
  • 5) 既に個人情報ファイル簿により公表されている個人情報ファイルのコピーファイル
  • 6) 一年以内に消去される個人情報のみを記録している個人情報ファイル
  • 7) 物品・金銭の送付や業務連絡のためのみに利用している個人情報ファイル
  • 8) 専ら学術研究のために作成・取得され、利用される個人情報ファイル
  • 9) 記録されている本人の数が1,000人に満たない個人情報ファイル

 1)及び2)については、個人情報ファイルの存在を公表することにより、国の重大な利益や犯罪捜査等に支障を及ぼすおそれがあること、また、3)から9)までについては、国民の権利利益の侵害が比較的少ないことが、個人情報ファイル簿を作成・公表する義務が適用除外されている理由です。

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Q6-7
他の行政機関から提供を受けた個人情報ファイルについても、個人情報ファイル簿の作成・公表が必要となりますか。

A

 他の行政機関から提供を受けた個人情報ファイルについて、提供を受けた行政機関においてもその一定の事務の目的を達成するために「個人情報ファイル」として利用している場合は、保護法第11条の規定に基づき、個人情報ファイル簿の作成・公表が必要となります。

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Q6-8
個人情報ファイル簿は、どこで閲覧することができますか。

A

 個人情報ファイル簿は、以下の二つ方法により公表することとされています。

  • 1) 事務所における個人情報ファイル簿の閲覧
     行政機関は、自らが保有する個人情報ファイルに係る個人情報ファイル簿を「事務所に備えて置き一般の閲覧に供する」(令第7条第5項前段)こととされています。この場合の個人情報ファイル簿は、当該行政機関で「保有している個人情報ファイルを通じて一の帳簿」(令第7条第2項)とされていることから、各行政機関の代表的な窓口に、それぞれ備え置かれています。
  • 2) 電子政府の総合窓口(e-Gov)での公表
     個人情報ファイル簿については、1)で説明した方法のほか、「インターネットの利用その他の情報通信の技術を利用する方法により公表」することとされています(令第7条第5項後段)。
     行政機関が保有する個人情報ファイルに係る個人情報ファイル簿については、横断的な検索ができるように、電子政府の総合窓口(e-Gov)(URL https://www.e-gov.go.jp/別ウィンドウで開きます)において一括して公表されています。独立行政法人等については、各法人のホームページで公表されています。電子政府の総合窓口(e-Gov)では、これらのホームページのURLの一覧を掲載しています。
     現在、総務省の管区行政評価局、行政評価事務所等に設置される個人情報保護の総合案内所においても、電子政府の総合窓口(e-Gov)を閲覧できます。お気軽にお訪ねください。

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Q6-9
個人情報ファイル簿の作成・修正は、年度ごとに行えばよいのですか。

A

 行政機関の長は、「個人情報ファイル…を保有するに至ったときは、直ちに、個人情報ファイル簿を作成しなければなら」ず、また、「個人情報ファイル簿に記載すべき事項に変更があったときは、直ちに、当該個人情報ファイル簿を修正しなければならない」こととされています(令第7条第1項及び第3項)。
 各行政機関は、行政機関における利用目的ごとの保有個人情報の適正な管理に役立てるとともに、本人が自己に関する個人情報の利用の実態をより的確に認識することができるように「個人情報ファイル簿」を作成・公表するものです。このため、個人情報ファイル簿の作成・修正は、直ちに行わなければなりません。

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Q6-10
本人の数が1,000人未満の個人情報ファイルについては、保護法上、個人情報ファイル簿を作成・公表する必要がないとのことですが、本人の数はどのように数えるのですか。

A

 個人情報ファイルに記録されている「本人」は、保護法上、「他の個人の氏名、生年月日その他の記述等によらないで検索し得る者に限る」こととされています(第10条第1項第4号かっこ書)。すなわち、当人の氏名、生年月日その他の記述等により検索し得る者が「本人」となります。個人情報ファイルの中に、同じ「本人」が複数記録されている場合には、重複を除いた上で一人として数えます。
 このように「本人」の数を数え、その数が1,000人未満である場合には、当該個人情報ファイルについて個人情報ファイル簿を作成・公表する義務はありません(保護法第11条第2項第1号、第10条第2項第9号、令第5条)。

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