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経営の現状
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○ |
1期巨額の投資に伴い、固定的な費用が大。創業赤字が続き、累積欠損が拡大 |
○ |
空港運営実績は平成10年度伸び悩みの状況。営業収益は平成10年度には減収 |
○ |
長期債務の償還は借換えが大半で、縮減には至らず |
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(1) |
損益状況の概況 |
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収益で費用が賄えず、開港以来毎年度当期損失を計上
累積欠損は1,333億円(平成10年度末) |
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(2) |
費用と収益の構造 |
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1. |
費用は固定的なものが大半
1期事業で1兆5,000億円投資
→ |
償却資産 |
8,000億円、有利子負債 1兆円 |
→ |
10年度
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減価償却費 343億円、支払利息 473億円
費用全体のうち、減価償却費が24%、支払利息が33%、両者で57%。固定的な費用が大半 |
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2. |
収益は航空輸送需要に依存
○ |
空港の運営実績(航空機の発着回数、旅客数など)は、平成9年度までは伸び、10年度伸び悩みの状況 |
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(注) |
需要予測は、「第7次空港整備七箇年計画」(平成8年12月閣議決定)の予測に基づき運輸省が試算 |
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○ |
営業収益は、平成9年度までは増収、10年度には減収に転じる状況
(営業収益) |
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平成 7年度
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1,083億円 |
8年度
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1,176億円(対前年度 8.6%) |
9年度
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1,204億円(対前年度 2.4%) |
10年度
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1,182億円(対前年度 ▲1.9%) |
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(3) |
長期債務の縮減状況 |
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平成6年度以降5年間で、長期債務 2,721億円を償還。うち借換社債が2,092億円
→長期債務の縮減には至らず(平成10年度末残高1兆603億円) |
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2 |
今後の経営見通しと課題 |
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○ |
関空会社は、長期経営見通しとして、黒字転換時期などの目標を設定 |
○ |
今後の経営においては、次のとおり、動向を注視すべき要因あり
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現在、需要が予測を下回る動きで推移。今後の他空港の整備による影響 |
・ |
用地造成会社からの用地の貸付け・譲渡の具体的条件は今後の協議事項 |
・ |
1期事業による長期債務に2期事業による有利子債務が加わり、また、将来的には用地造成会社の有利子債務も関空会社の費用に反映 |
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(1) |
関空会社の長期経営見通し
○ |
単年度黒字 |
: |
発着回数が年間21万回程度に達した時点(新滑走路供用開始後7、8年程度) |
○ |
累積欠損解消 |
: |
上記に要する期間のおおむね2倍程度 |
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(2) |
今後の経営をめぐる諸要因
1. |
航空輸送需要の見通し(運輸省の航空輸送需要予測は、一定の経済成長、他空港との競合などを想定して算出)
○ |
現在、需要が予測を下回っている状況 |
○ |
他の国際空港、近隣空港の整備による需要への影響 |
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2. |
用地の貸付け・譲渡条件の設定
○ |
2期事業は、「上下主体分離方式」
・ |
空港用地(下物)造成:用地造成会社
空港施設(上物)整備:関空会社 |
・ |
供用当初の関空会社の用地負担を軽減、経営の健全性を確保する趣旨 |
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○ |
用地は、関空会社に一定期間貸付け後譲渡 |
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↓
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貸付料、譲渡代金等の条件は今後、両社で協議 |
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3. |
長期債務の累増
○ |
償還予定額が多額 |
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↓
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縮減は長期を要する |
○ |
2期事業で有利子債務追加 |
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将来的には用地造成会社の有利子債務も関空会社の費用に反映 |
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(3) |
今後の経営上の課題
○ |
2期事業は航空輸送需要への対応等から必要とされた事業で、巨額の投資が必要 |
○ |
関空会社の収支構造(費用は固定的なものが大半など)から、収支向上は制約が大きい状況 |
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1. |
今後の経営の在り方については、厳しい経営環境にある中で、航空輸送需要の動向、用地造成会社の状況などに対応して、適時、適切に経営見通しを見直していくことが必要 |
2. |
収支改善のため、十分活用されていない深夜の発着枠の有効利用など、空港全体として増収につながる方策を推進することが必要 |
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