勧告日 | : | 平成13年8月10日 |
勧告先 | : | 国土交通省 |
実施時期 | : | 平成12年4月〜13年8月 |
○ | 自動車の検査・登録及び整備関係業務は、陸運支局及び自動車検査登録事務所において実施。このうち自動車の検査(検査場における検査)については平成14年9月末までに独立行政法人へ移行 |
○ | 自動車の検査・登録及び整備に係る業務は、検査登録手数料を主たる財源として自動車検査登録特別会計により運営。業務運営の効率化、要員の合理化等を含め経費の効率的使用が必要 |
○ | 検査・登録手続等に係る国民負担の一層の軽減、自動車分解整備事業者に対する効率的かつ効果的な監督も必要 |
○ | この行政評価・監視は、自動車の検査・登録及び整備に関する制度及び運営の実態について調査し、関係行政の改善に資するために実施 |
○ | 調査対象機関:国土交通省、関係団体、事業者等 |
![]() | ・ | 陸運支局は全国で52(都道府県単位(北海道は7か所))、その下に置かれる自動車検査登録事務所は全国で36(このほか沖縄に陸運事務所1及び同支所2) | ![]() |
・ | 陸運支局及び自動車検査登録事務所の要員数は、検査部門1,066人、登録部門1,056人及び管理部門等845人の計2,967人(平成12年度末定員) |
○ | 自動車検査独立行政法人への移行見込みは約900人であり、検査部門の要員の大半が独立行政法人へ移行。移行後の陸運支局等に残される検査業務体制(書類の審査等を担当)について組織の大幅な見直しが必要 | |
・ | 要員規模(平成11年度末)は、陸運支局の検査部門で5人〜31人(登録部門は6人〜33人)、事務所の検査部門で1人〜24人(登録部門は1人〜20人) | |
○ | 調査した22事務所中、国土交通省が事務所新設の目安としている年間現車検査件数(27,000件)を下回る事務所が4。上記検査業務体制の見直しを行う中で、組織の在り方を検討の余地あり | |
・ | 4事務所の要員1人当たりの現車検査件数、主要登録件数は22事務所平均の60%未満 | |
・ | 要員規模も22事務所の平均20.1人に対し、4事務所では3人(約15%)から12人(約60%) |
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![]() | ・ | 平成12年度の現車検査件数は893万件(対6年度比89.8%)、主要登録件数は2,121万件(対6年度比102.3%) | ![]() |
・ | 自動車検査登録特別会計の歳出予算(平成12年度)は、50,890百万円。このうち人件費24,332百万円(約48%)、施設整備費7,174百万円(約14%) |
○ | 検査担当要員1人当たりの現車検査件数は、比較した陸運支局間で最大2.1倍、事務所間で最大2倍の較差 | |
○ | 検査要員の監督の下で非常勤職員に定型的、反復的な業務を処理させているものがある一方、同様の業務を検査要員が行っているものあり | |
・ | 非常勤職員の活用例:申請書類の受付、添付書類の確認等の形式審査、OCRへの投入等 | |
○ | 登録担当要員1人当たりの主要登録件数は、比較した陸運支局間で最大2.6倍、事務所間で最大2.2倍の較差 | |
○ | 調査した54陸運支局等のうち9陸運支局では、登録担当要員を主に一般会計に属する旅客、貨物等の輸送行政部門に配置(14人) | |
○ | 陸運支局等の施設整備の状況をみると、以下の事例あり | |
・ | 管轄区域の分割縮小により見込まれていた職員数の減少が、庁舎建て替えの床面積算定に反映されていないもの(1例) | |
・ | 施設移転後20年以上経過しているにもかかわらず、跡地の処分が行われず、維持管理も適切に行われていないもの(1例) |
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![]() | ・ | 陸運支局等は、遠隔地の利用者の利便を図るため、開催基準(陸運支局等又は出張検査開催場所相互間の道路距離が40km以上等)を満たす地区で出張検査を、また、一部において出張検査に合わせて出張登録を実施 | ![]() |
・ | 出張検査は、地元の自動車分解整備事業者団体等の施設を有償借上げして実施 | ||
・ | 出張検査は全国で133か所。検査件数は約40万件(平成12年度)で減少傾向 | ||
・ | 出張登録は全国で19か所、登録件数は約5,900件(平成12年度) |
○ | 調査した67か所の出張検査のうち8か所が開催基準を満たさず。また、管轄の陸運支局等との距離は開催基準を満たしているものの、隣接の陸運支局管内の出張検査開催場所との距離が近接し、調整が必要なもの(40km未満、1か所)あり | |
○ | 利用の実績が低調なものあり | |
・ | 出張検査の中には、実績が低調な例(離島9か所を除く58か所中7か所は平均(現車検査85件/回)の半分以下)及び業務量に比較して出張人員が多い例あり | |
・ | 出張登録は全般に実績が低調。中には、1回当たり10件に満たないものあり | |
・ | 陸運支局等は出張検査・登録の開催についての広報を行っておらず、事実上特定の整備事業者にその利用が限定されている(ユーザー車検等の実績は皆無)。 |
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![]() | ・ | 自動車の使用者は、自動車を点検して必要に応じ整備を行い保安基準に適合するよう維持する義務あり。国土交通省は、自動車点検基準(省令)により車種に応じた点検(日常点検、定期点検)項目を規定 | ![]() |
・ | 運輸技術審議会が示した見直しの方針(平成10年12月):1. 要整備率を指標とし、これが低い項目は廃止又は実施時期の延長を検討、2. 点検項目が目視等容易、整備作業が清掃等軽微なものは日常点検への移行、実施時期の延長を検討 |
○ | 整備事業者から入手した点検整備記録簿により、合計368台の自家用乗用車について点検項目別の要整備率をみると、2年点検項目56項目のうち、35項目は要整備率5%未満(うち1%未満は18項目、0%のものも8項目あり) |
○ | 装置の電子化により点検の必要がない車種が増加してきていることなどから、簡素化の検討の必要がある項目(点火時期等)あり |
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○ | 自動車分解整備事業の認証申請等における申請書類の中には、一部の地方運輸局のみが提出を求めており、かつ必要性が乏しいものあり |
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![]() | ・ | 陸運支局は、自動車分解整備事業者に対し、法令の遵守状況の確認、指導等を行うため、事業場への立入等による監査を実施 | ![]() |
・ | 自動車の保安基準適合に関する自動車使用者の自己管理責任重視の流れの中で、これら整備事業者に対する監査の重要性は増大 | ||
・ | 国土交通省は、このうち指定整備事業者に対して1事業者年2回の監査を実施するよう陸運支局に指示 |
○ | 監査による違反等の指摘は一部の事業者に集中する傾向あり。一方、調査した22陸運支局のうち14支局では、苦情等に基づく監査を除き、監査対象事業者の選定について特段の重点化の方針を有せず(中には全事業者に対しローテーション重視で監査計画を策定するとしているものあり) |
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